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ネマタの戦術本レビュー第207回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その14」

ネマタの戦術本レビュー第207回「進化するデジタル麻雀 著:石橋伸洋 その14」

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例題27

 完全1シャンテンで高打点が狙えるとなると、後はただテンパイしてアガるのを待つだけとなりそうですが、チャンス手ほど結果に影響が出るので、できれば細かいところにも気を配りましょう。よりよい完全1シャンテンへの変化は勿論、リャンメン部分が薄い場合は、よりよい1シャンテンへの変化をみてあえて完全1シャンテンに取らない選択も実戦では考えられます。 

 平面上では、面子候補が足りている段階からリャンメンを固定して、浮き牌へのくっつきでリャンメン変化を残す選択が有効なケースが少ないことは「現麻本」にて示しましたが、これはあくまで手牌以外の見えていない牌をツモる確率は同様に確からしいことを前提にしているため。残っている面子候補の受け入れに自信が持てないが、かといってそこが待ちとして残った場合はテンパイに取る方がよいのでシャンテン戻しはしないというのであれば、第3の選択肢として有り得るので、実戦では場況に応じて臨機応変に対応したいところです。

 切り出す牌が面子候補の一部であるなら、基本は空切りよりはツモ切りする方がいいのですが、今回は次に切ることになるも面子候補の一部なので、を空切りしていれば即テンパイでを切れば単純なリャンメン落としの可能性が残るので、ツモ切りしていた場合よりも読まれにくくなります。面子候補の一部だけど空切りした方がよいケースはどうしても手拍子でツモ切りしがちです。こうしてみると、一見選択で迷う余地のない手牌であっても、できれば考えておきたいことは意外にも多くあるということに気付かされます。

例題28

 メンゼンの場合はテンパイで切られた牌が面子候補の一部であったことが読めても、その面子候補が面子になったのか、別の面子候補が面子になったのかを判別できませんが、鳴いてテンパイしたところで切られた牌については、その牌を面子候補の一部とするような待ちが残っていることが確定するので、メンゼンの場合よりずっと待ちを絞り込めます。

 を切った後ででチーされているので、このからの切り出しであることが確定。よりが残されるのですから、も面子候補の一部。受けもあり待ちが残った場合もよりアガリやすいので、下家がアガリを目指しているなら頭頭からはより先にを切るところ。を先に切る以上、はリャンメントイツの一部ではなく、3枚からなる悪形面子候補の一部であったと考えられます。

 今回は4枚見えかつ1枚切れなので、は無く、よりはのケースが多く、カンが本線です。浮き牌であると仮定すると不自然であることから面子候補の一部であると推定し、更に切り順や鳴かれていない牌から面子候補の形を特定することで待ちを絞るという読みの典型例です。

 ただし、相手の力量は打ち筋によっては必ずしもそう打つとは限りませんし、仮に読みが外れた場合は、は本線の一つになるのでリスクが高い読みではあります。しかし、相手が信用できないから読みを入れないと決めてしまうのも早計です。2000点で2着になれるラス前で頭頭の形。がある以上手作りの知識に疎い打ち手であっても、流石に無意識のうちに7pに手がかかるのではないでしょうか。

 2枚切れなのでアガリを目指すうえではを切るだけのメリットがある以上、「信用出来ない」程度ならを切るべきと判断します。これがでチーされていたのであれば、を先に切る打ち手も一定数いそうですし、手作りの知識に疎い打ち手なら半々程度でを先に切ると考えられるので、は止めた方がいいかもしれません。

 当たらない可能性もあるから読まないではなく、当たらない可能性がどの程度あるかもふまえたうえで、読みを用いるかどうかを判断するというスタンスで実戦に臨みたいものです。

本記事に関するご紹介

前著「黒いデジタル麻雀」で概念的に説明された戦術論を具体的な局面に落とし込んで解説しています。41の例題が収録されていますが、それらは決して単なる何切る問題ではなく、何を切り、何を考えておくべきかを問うています。ハイレベルになった現代麻雀において勝ち続けるにはここまで深く考えなければいけないのかと驚かされます。
 
石橋 伸洋 (著)
発売日:2016年10月26日
定価:本体1,490円+税
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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