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ネマタの戦術本レビュー第297回「手作りと押し引きの鉄戦術  著:福地誠 その4」

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Q10 打

 「もっと勝つための現代麻雀技術論」第51回でも取り上げましたが、初めて提唱されたのは、とつげき東北氏のHP上の麻雀講座と思われます。

 ただ、巻末の強者2人とも打としているように、リャンメン落としは現在でも多数派とは言えません。私自身、打と回答しましたが、打が明確に劣るとまでは考えません。

 6ブロックに受ける理由についてはこれまでも色々と言われてきましたが、結局のところは、「実戦ではが既に切られていることも多く、一方、リャンメンの優劣がはっきりつくような場況はそれほど多くない(はっきりつくようであれば、そもそもこの形になる前に場に高い色の牌を切っている)」ことに6ブロック派が根強い理由があると考えています。

 が1枚でも見えているようならリャンメン落としの優位性も怪しくなりますし、打は平和がつきやすいので僅かに打点面でも有利になります。

 場況を考慮して6ブロックに受けるという考え方には私は賛同しませんが(理由は「もっと勝つための現代麻雀技術論」第52回に記載)、場況を認識する能力に長けた6ブロック派が、そうでない5ブロック派に実力で上回ることは間違いありません。

 強者でも意見が分かれる問題は数多くあります。そのような問題は、「何を切るか」という選択そのものより、強者が「何を見てどう判断したか」という選択までの過程に着目されることをお勧めします。

 なお、ドラでなければを切ります。完全1シャンテンになることによるアガリ率アップよりは、タンヤオの1翻の方がずっと大きいです。

Q11 打

 今回の問題の中でも特に迷いますが、打それぞれの共通の受け入れであるを引いた場合、打ならここで打としてを残します。

 こうすると先に悪形が埋まった場合は3メンチャンでテンパイ、にくっつけば打としてタンヤオがつき、トイツにくっつけばリャンメン変化に加え三色もあります。

 打、打ではどちらかの変化が無くなるので、ここでは打とするのがよいのではないでしょうか。チートイツもあるので手が1シャンテンになる受け入れでも結構差がつきます。

 タンヤオがつく面子候補はそうでない面子候補よりも基本は優先することが多いのですが、今回はを切ってツモでも1シャンテンになるので、いわば受けがかぶっているカンチャン。を落とすと雀頭がに固定されるので周りの変化が受けられなくなります。しかも打点についてもタンヤオにしない方が高くなる(三色、チートイツ)ケースもあるので、メンツを作りづらくしてまでタンヤオをみるほどではないという判断です。

 5ブロックをどこにするか決め切れないという理由で打とする手もありますが、有利になるのは高めタンヤオの良良1シャンテンになるを即引いた場合のみ。引きもマンズでもう1メンツ作るケースがあるので残しが優位、5ブロックに受けることのメリットの1つです。

 なお、打としてを引いた場合は、は残して打を切っているとはいえ、の中ぶくれ形を残す変化が強いです。を引けば打。打ならテンパイしていますが、テンパイを逃しても受けの1シャンテンにはなります。

 打にとっては最大の裏目でもあるツモですら悪くないので、特定の1牌よりもそれ以外の有効牌を先に引く可能性の方がよほど高いという観点からも、ここでは打を推奨します。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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