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ネマタの戦術本レビュー第368回「「統計学」のマージャン戦術 著:みーにん その8」

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 テーマ15

 親リーチに悪形2翻テンパイから押せるというのは意外ですが、子リーチよりは降り寄りとはいえ、ベタ降り時の失点が大きくアガリを阻止するメリットは相手が親の時の方が大きいというのが結構影響しています。
 補足にもある通り、今回の結論に関しては押し過ぎではないかという意見も多く見られます。これについては、「人間の体感のあてにならなさ」と、「条件次第で引いた方がよいケースも多々ある」という二つの側面がありそうです。
 悪形の中でも特に待ちが悪い、局収支的に微差なので順位を考慮して引くというケースは先制リーチの項でも取り上げましたが、押し引き判断の場合はそれに加えて、先行リーチ者以外にもテンパイ者がいる可能性、引いた場合もベタ降りとは限らず、アガリやテンパイの可能性があるといった要素が挙げられます。これらはいずれも、基準よりは引き寄りになる要素です。
 一方、押し寄りになる要素としては安牌が少ない、テンパイ時に切る牌が通りやすい、先行リーチに降りていると着順的に苦しいといったものが挙げられますが、こういう場合は体感上迷わず押せることが多いものです。前提となっている条件より不利な条件を無意識のうちに想定してしまうのは、「人間の体感のあてにならなさ」から来るものですが、「前提より不利な条件で判断することが実戦では多い」というということも押さえたうえで活用する必要がありそうです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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