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ネマタの戦術本レビュー第367回「「統計学」のマージャン戦術 著:みーにん その7」

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 テーマ13

 押し引きも手作り同様、押した場合と引いた場合の局収支の大小を考慮して判断することになります。「大小」が分かればよいので、基本的な基準を押さえていれば、条件が変化した場合もそこまで複雑な計算をせずとも優劣を判断することが可能です。
 相手の待ちを特定できることはそれほど多くないので、自分の手牌が押すに見合うかどうか、放銃した時に大体何点になるかを把握しておくことの方が待ち読みよりも重要です。下手に待ち読みをしようとすると、待ちの候補以外の牌は通ると思い込んで引くべき局面で押してしまう、当たると思い込んで押すべき局面でも降りてしまうといったミスをやりがちです。

 テーマ14

 リャンメンテンパイなら低打点でも案外勝負になります。アガリはツモとロンがありますが放銃はロンのみであること。放銃時はツモの1翻がつかないこと、降りた場合も被ツモやノーテン罰符の失点があることが理由として挙げられます。
 もちろん確実にテンパイしている相手に危険牌を切るのですから、結果的に放銃してしまうことも多々あります。一方、テンパイが不確定な鳴き手相手には、危険牌を切っても放銃することはそれほど多くありません。
 このため、「放銃してしまったからミス」のような結果論で判断してしまうと、リスクが高いがリターンも十分ある局面で降り過ぎになる一方、リターンがほとんどない局面で不要なリスクを負っていることに気付けない打ち手になりがちです。
 もちろん着順を競うゲームである以上局収支の大小をそのまま適用できないケースもありますが、結果にとらわれず、基本はあくまで局収支にあるということを押さえておきましょう。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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