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ネマタの戦術本レビュー第381回「麻雀序盤の鉄戦略 著:独歩 しゅかつ すずめクレイジー 平澤元気その6」

ネマタの戦術本レビュー第381回「麻雀序盤の鉄戦略 著:独歩 しゅかつ すずめクレイジー 平澤元気その6」

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 ケース11

 打 メンツ候補オーバーの場合は、ターツを1つ外して安牌を抱える発想も必要ですが、今回は序盤かつターツ自体も安全度が高いので抱える必要はありません。安牌を残すことを先に考えると、必要ないケースまで抱えがちです。ツモなら場況的にマンズ待ちが強く、三色への手変わりもみて打。ペンチャン、カンチャンとシャボについては リャンメンへの変化や、待ちが残った時に一般的にシャボの方が若干出やすいというだけなので、河によって判断を変えることも多いです。

 ケース12

 打 打として6ブロックに受ける方が、目先の良形テンパイのなりやすさでは勝ります。しかしツモだけでなく、ツモでも残しが活きるのが5ブロックに受けるメリットです。

 いずれにせよ大差ないので、ペンチャンやカンチャンの受けが場況からツモりやすいと判断するのであればリャンメンを固定して6ブロックに受けます。今回はペンは他家に使われていない可能性が高いのでここは残します。カンについては何とも言えません。打も有力とみますが、5ブロックに受けると打点絡みや安牌要因としての浮き牌を抱えられるというメリットもあるので、私は打とします。

 の代わりにであればペンチャンを外します。いくらが山に残っていそうとはいえ、を合わせた枚数より残っているとは考えにくいので、先にを引いた時に、のリャンカンが残っている場合より有利とまで言えないと判断しました。もしの合計と同程度には残っていると読めるのであれば、リャンメンが2つともメンツになってテンパイした時はペンが残っている方が有利なので打とします。

本記事に関するご紹介

例えば非常にいい配牌をもらったとき、これは一直線にアガリに向かえばいいだけなので、中級以上の打ち手であれば差がつきにくいですし、最終的にはロジカルに正解がでる部分です。
問題は悪い配牌をもらったとき。この場合はアガリに向かうのか守備に重心を置くのか、アガリに向かうにしてもどの手役を狙うのか(どの手役も遠い)、第1打から考えるべきことが多くなり、不確定要素も増えます。そしてこのジャンルは麻雀研究においても未開拓の分野です。
そして、この「超序盤の戦略」こそ、強者と弱者の差がつく、残された分野なのです。
 
独歩 しゅかつ すずめクレイジー 平澤元気(著)
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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