システム16
『鉄押しの条件』でも同様の河の押し引き判断が問題になっています。今回は手牌にがアンコのため、
が入り目(
ツモでメンツが完成して打
リーチ)の可能性が減るので
の放銃率が更に跳ね上がります(待ち候補が多い場合はアンコスジでもさほど危険になりませんが、入り目で無ければ高確率で放銃する本命スジとなると話は別です)。
今回はが雀頭(メンツが完成した時に手広いヘッドレス1シャンテンになるように
を引っ張った)の可能性を否定できないので、放銃率50%とまでは行かないとみますが、リャンメンテンパイでも低打点なら降りた方がよいでしょう。本書同様メンピンドラ1程度のテンパイなら勝負します。
入り目の都合上、対メンゼンリーチで切る牌の放銃率が50%もあるということはほとんどないと思いますが、終盤で通ったところでアガれる可能性が低いとなると良形高打点テンパイでも降りることもあるでしょう。しかし、出現頻度が低いうえに、何らかの読み違いをしていて放銃率がそこまで高くないとなると降りた時の損失も大きいです。手牌だけなら十分押せる手に関しては、何となく自信がないから降りではなく、「降りた方がよいという判断に自信がある」からこそ降りと言えるようになりましょう。
システム17
「現代麻雀最新セオリー」で取り上げられましたが、数牌側が全員に無スジ、字牌側が全員に安牌という条件であるということに注意が必要です。
字牌が生牌なら明確に完全1シャンテン有利になり、1枚切れでも結構微妙になります。完全1シャンテンにとった後でたまたま共通安牌を引いてくるというケースはそれほど多くないので、実戦ではやはり完全1シャンテンにとることが多いと思われます。
ただし、宣言牌を字牌にすることで比較的またぎの牌が出やすくなる効果もあるので、どちらもほぼ互角というのであれば安牌残しに分があると言えます。
リーチを受ける立場からすれば、宣言牌が字牌であっても両無スジになる数牌46のまたぎはそこまで安全と言えないと考えた方がよいかもしれません(リーチ者が赤5を持っているとすればなおさら)。数牌5に関しては赤5受けがあるので先切りの頻度が減りますが、逆に言えば先切りのまたぎで放銃する場合は赤5を持たれている可能性が高いということは意識しておきましょう。
オリ本 ~天鳳位が語る麻雀・守備の極意~
本書は第9代天鳳位であるしゅかつ氏が「オリ」について語った一冊です。とはいえ「相手から攻め込まれた瞬間」にどうやってオリるかを解説したものではありません。その前の段階や後の段階の技術(=大局観)を総合的に説明することで、押し引きを点ではなく線で捉えられるようになっています。それと同時に、「こんなケースでは思考停止でベタオリで良い」といった考えなくて良いケース、というのも説明しています(=システム化)。これらの大局観とシステム化の両輪によって本書はより汎用的なオリの技法を説いたものとなり、これまでの麻雀の守備戦術本とは一線を画す、ハイレベルな内容になっています。本書で現代麻雀の最高レベルの「可能な限り失点を防ぐ技術」を体得してください。
Kindle:1,497円
購入はこちら