- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第1章 思考5
「絞り」が基本的に損な選択とされるのは、「自分と絞った相手のアガリ率が下がる代わりに、別の他家2人のアガリ率を上げてしまう。」ためです。切った牌が必ずしも鳴かれるとは限らないのですからなおさらです。
逆に言えば、「別の他家2人のアガリ率を上げてでも、絞り対象のアガリ率を下げることが望ましい。」のであれば絞る事を考慮に入れることになります。よって、打点が子の1.5倍になり、連荘もある親相手には絞りを入れるケースが増えます。
一般的に子のリーチの平均打点は6000点程度なので、親のダブ東ドラ1、5800と同程度です。48ページの牌図はダブ東をポンしている以外の親の手牌構成は分かりませんが、見えていないドラと赤が5枚あれば1枚は持たれていることが多そうです。2枚以上持たれているなら11600以上。ドラを持っていない(2900)可能性よりは2枚以上持たれている可能性が低いとしても、親の平均打点は6000点を超えそうです。そうなると親がテンパイしていないとしても、自分の手牌次第では絞りを考慮に入れることになります。
今回の問題は著者がtwitter上でも出題されていたものですが、強者間でも結構意見が分かれました。「絞らない」派の意見としては、「今から絞ると後々安牌が尽きる恐れがある」というものがありました。個人的には今回のケースではまだ自分の都合で進める打としそうです。仮にが鳴かれたところで、あたりを引いて1シャンテンになる分にはまだ押せると判断するためです。逆に言えば、「鳴かれたらいずれにせよ降りる」のであれば、一手前の段階で絞った方がよいでしょう。
明確なテンパイが入るまでは自分の手牌ばかり見ていて、今回より絞り有利な条件でも安易に鳴かせてしまう打ち手が一定数いるのは確かです。「相手がテンパイしたと思ったら降りる」を徹底できている打ち手であれば、今回のケースで絞らなくても十分勝てると思いますが、絞りが甘い打ち手は往々にして、「まだテンパイしてないかも」と希望的観測から振り込みまで面倒をみてしまうことが多いものです。そういった点からも、本書で言うところの、「親へのリスペクト」を欠かさないようにしたいものです。
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