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ネマタの戦術本レビュー第780回「麻雀強者の0秒思考 著:ZERO その8」

ネマタの戦術本レビュー第780回「麻雀強者の0秒思考 著:ZERO その8」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第1章 思考8

 「勝つための現代麻雀技術論」では、3巡毎に、最序盤、序盤、中盤、中盤過ぎ、終盤、最終盤と分けて打牌選択を取り上げました。実際、何を切るかが巡目で判断が変わりそうな牌姿については、6、9、12巡目といったあたりに分岐点があることが多いものです。「とりあえず安牌を抱えておく」あるいは、「とりあえずロスが少ないように受ける」という考えが先攻すると、手牌の価値そのものや、巡目による変化に気付きづらくなります。そのためにも、「定点チェック」が重要になります。

 手牌Aでを切らなかった人は麻雀を「覚えすぎ」というのはまさにその通りで、熱心に麻雀に取り組んでいるにもかかわらず勝てていない(天鳳で言えば特上卓で勝ち越せないレベル)人の多くが陥りがちな選択です。

 これくらいの手牌なら実力者でもを残す人も結構いそうですが、その方がそれでも勝てるのは、安牌を抱えてもロスが少ないように4面子1雀頭を作る技術や、後手を引いてからも押し返す技術に優れているためです。そういった技術は真っ直ぐアガリを目指す技術より習得が難しいので、上辺だけ真似ようとすると、手牌Bのように安牌残しが明確に損なケースでも安牌を抱えがちになります。

 もし手牌Aが5巡目で、を安牌として残すとするなら何を切るか。打や打でもよいですが、個人的には打としそうです。中盤に差しかかって1面子もないというかなりアガリが厳しい手なら、多少受け入れを狭めてもアガリ率にはあまり影響しないので、ツモがうまく噛み合った時に三色、一通で高打点になる可能性を残すという考えです。

 手牌Bについては受け入れ最大にした方が高打点にもなりやすく、すぐにリーチが入って降りることになったとしてもアンコがあるので手詰まりのリスクが低い。将来の当たり牌をよほど高い精度で予想できるというのでもない限り巡目によらずを切ります。もしアンコがなら、アンコができるケースは平和がつかなくなり、後手から押し返すケースを増やすという意味でも安牌を残すメリットが高まります。5巡目ならまだを切りますが、7〜9巡目となるとを残すことも増えそうです。実際に安牌を残すかどうかは、まさに場況を踏まえたうえでの「定点チェック」によって判断することになるでしょう。

麻雀強者の0秒思考

あっと驚く麻雀の名手が0秒で打てるようになる本です。

麻雀強者は0秒で決断します。それはトッププロしかり、最強の漫画キャラクターむこうぶちの傀しかり。
ではなぜ彼らは決断が早く迷いが無いのでしょうか?
それは多くの法則を頭で記憶しているからです。
このパターンならここを見る、というルーチンが完成されているので迷わないし、たとえ裏目になっても心がゆれません。
本書を読めば、一般の人が知らないような麻雀戦術が「0秒法則」として一目で覚えられるようになってます。さらに解説を読めば、むこうぶちの漫画シーンを使ったジョークを読みながらもより深く麻雀が学べます。
またゼロ氏のギリギリ人生を明かしたアウトローコラムは、ぐいぐいと引き込まれ次が読みたくなるハラハラドキドキの展開。こんな人生ならそれは戦術も面白くなりますねという納得と感動。

一冊に「娯楽と学習」がギュギュッとつまった完全無双の麻雀教材! 御無礼!

 
著:ZERO イラスト:天獅子 悦也 
単行本:1,620円

 
 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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