- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第1章 5ブロック理論
テーマ01
「ブロック」とは何か。個人的には、「メンツかヘッド、もしくはアガリ形4メンツ1ヘッドのいずれかを1手で完成させるもの」と定義します。言い回しがややこしいですが、要するに、ヘッドが無い場合は適当な浮き牌1つを1ブロックとカウントするということです。
本書は6ブロックの状態をメンツオーバーとしていますが、単にメンツ、ヘッド、ターツのいずれかをブロックと定義すると、ヘッドが無い場合は5ブロックで実質メンツオーバーになります。ヘッドが無い場合にどう打つかは特に間違いやすい選択なので、ヘッドが無い場合は最初から+1されるように定義した方がよいと考えました。
テーマ02
言葉で説明するとややこしいですが、「麻雀徒然草」第42回のように手牌を「0」「1」「2」に分け、「0」と「1」の総数がブロック数とみなせば分かりやすいです。手組に関してはとにかく頭で考えるより先に、実際に手を動かしてみることをお勧めします。
例題Aはがメンツ、のいずれかがヘッドの5ブロックなのでは浮き牌。アガリを目指すうえでは、浮き牌が1つしかなければその浮き牌を切るのが普通です。例題Bは一見を切りそうになりますが、11112344は111+123+44の2メンツ1ヘッド。以外にトイツが無いのでヘッドを残してリャンメンを落とします。「0」「1」「2」に正しく分ける事ができていれば、「0」より「1」を切る、「1」より「2」を切るというだけで大体の牌姿は正着が打てるようになります。
テーマ03
手作りを講座形式で解説する以上、ブロック分けの話は必ず出て来ます。しかし特に注意していただきたいのは、「実戦中にブロック分けにこだわりがちな人は、麻雀の実力が伸び悩む恐れがある。」ということです。
ブロック分けにこだわると言っても2通りあり、1つは「1つの分け方にとらわれる」タイプ。本書にある通りブロックの分け方は1通りとは限らず、1通りと思い込んでしまうと、手が進む受け入れや変化を見落としがちになります。例題Aの牌姿から、受け入れロスはツモだけだからとを先切りすると、ツモでリャンメントイツができて打とする手順に加え、チートイツ2シャンテンに手が進む受け入れも無くなります。
もう1つは、「複数の分け方ができる。ということにとらわれる」タイプ。牌姿Bのように打点に極端な差があれば、テンパイからもヘッドを崩す打が有力ですが、他にヘッドがあるにもかかわらずから1ヘッド1メンツを見込むことは稀であることもまた事実。色々な分け方ができることにこだわり過ぎると、不要に手を崩しアガリ損ねるケースも増えてしまいます。
ブロック分けに関しては、「分けなくても組み合わせとしてそれぞれの分け方を把握できる」ことが理想で、上手い人は無意識のうちに出来ている人が多いものです。しかし、上手い人でも時折手組に関するミスをすることがあり、その理由の多くがブロック分けを怠ったためであるというのも事実です。
「ブロック毎に分ける」、「複数のブロックを一つの組として認識する」。どちらがよいかについては打ち手によって向き不向きがありますが、一方にこだわるが故のミスが多いというのであれば、もう一方のやり方を取り入れた方がよいのではないでしょうか。
テーマ04
例題Aはを2ブロックとみなせば7ブロックとも言えます。「7ブロック」という表現を持ち出すことが稀なこともあり、ここではを1ブロックとみなしても6ブロックのように表現されていますが、を2ブロックとしてみなすケースがあることも事実なので、2枚引いて2メンツできる可能性がある4枚の組み合わせなら、実際にはほぼ1メンツしか作らない場合でも「2ブロック」とみなすようにしています。
7ブロックあるということは、ブロックを2つ落としてもシャンテン戻しにならないということ。アガリのために必須でない6番目と7番目のブロックを比較するのですから、比較するうえで重要なのはメンツの出来やすさより、うまくメンツが出来た時によりよい手組になること。よって、低確率ながらタンピン678三色の目が残る北切りが有力となります。このようにアガリやすさでけでなく、高打点をみるうえでもブロック数を把握することが重要になるのです。
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