- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第1章 6ブロック
テーマ05
5ブロック、6ブロックの選択は頻出事項。昨今の戦術書で何度となく取り上げられていますが、どのように解説するかは千差万別。私の解説はこちらの第51〜55回を御参照下さい。
今回は趣向を変えて、入学試験で喩えてみます。ブロックは科目。5科目の合計点で合否が決まると言われたら、5科目に絞って勉強するか、6科目とも勉強するか。大抵の人は5科目に絞り、一番苦手な科目は勉強しない選択を取るのではないでしょうか。
5科目に絞ったなら、得意科目より苦手科目を集中して勉強した方が高得点を取りやすい。5ブロックならメンツになりやすいブロックより、メンツになりにくい悪形ブロックをフォローするのと同じです。
しかし実際には、5ブロックで悪形をフォローすることは出来ても、5ブロックに決めるべきところで決め切れずに6ブロックにしてしまう人は多いものです。逆に、受けなくてもいい苦手科目は切り捨てられても、受けなければいけない苦手科目を集中して勉強できる人は多くありません。何故かは簡単ですね。麻雀のメンツ作りは楽しいですが、苦手科目の勉強はつまらないからです(笑)
テーマ06
では、6ブロックにするのはどんな時か。試験に喩えれば、現状は苦手科目でも、満遍なく勉強すれば得意科目にできる自信がある場合。あるいは、得意科目だけど、これ以上勉強しても伸びないと分かっている科目がある場合です。
例題Aはまさに6ブロックが有力になる典型例。3メンチャンやドラ受けリャンメン、リャンメントイツに比べれば通常リャンメンは弱いですが、123、234三色がつけばリャンメントイツ以上の強ターツ。ターツを選べないからではなく、ツモ以外はを落としていくつもりだからこそ6ブロックに受ける打が有力になります。
テーマ07
第3の選択肢、雀頭落とし。既に得点源にしている科目だけど、これ以上伸びないからと切り捨てて更に高得点を目指す打ち方です。麻雀でも、雀頭を落とすことでより高打点が狙える場合に候補が挙がります。
しかし今回は打としてタンピン三色は高め3つ条件とかなり低確率。それなら受けを残すに越したことはないとみて打が最も有力となることが多そうです。
とはいえ、局収支の観点からはこの時点で三色を見切る落としよりはよさそうです。本書では解答なしとしていますが、基本は打。跳満以上を目指すメリットが大きいなら打、打点が不要で場にマンズが高いなら落としというように、打牌毎のメリットを押さえておけば、局面に応じた打牌を選びやすいです。
テーマ08
手変わりのために浮き牌を残すかどうか。試験に喩えれば、苦手科目というより、習っていない科目を勉強するようなもの。やれば得意科目になりそうというのでもなければ最初から候補に上がりません。
やれば得意科目になれそう、つまり手変わりの価値が高い浮き牌であっても、元々合格点が取れそうなくらい手牌がよければ手をつけないのが無難。よって例題Aは基本打としますが、合格点のボーダーが高い。つまり高打点が必要なケースなら打が候補に挙がります。
例題Bは先程よりは得点を上乗せしたい手牌なので基本打ですが、合格点が低い、つまり高打点が不要なら打とすることが多く、逆に高打点がなおのこと必要なら打も候補に挙がります。ドラが、カンが待ちとして弱いといった理由も打寄りになると言えるでしょう。テーマ07同様、打牌毎のメリットを押さえたうえで、局面に応じた打牌を心掛けましょう。
1シャンテンピーク理論
テーマ09
「1シャンテンピーク理論」とありますが、「テンパイ以前なら」という但し書きをつけた方がよいかもしれません。ただし、テンパイをピークとすると、手変わりを待ってでもなるべくリャンメン待ちが残るように打った方がよいという誤解をされがち。先制テンパイの優位性が浸透するまでは、実際そのような誤解が多かったものです。
しかし、先制テンパイの優位性が浸透すると、今度はシャンテンを進めることにこだわり過ぎる風潮も生まれました。「1シャンテンピーク理論」は、そのような時代の中で生まれた言葉の一つです。
例題Aは6ブロックともチャンタ絡みのブロック。言うなれば全て得意になりうるブロックなので、チャンタのつかない受けを外して6ブロックを維持します。例題Bとなるとチャンタをつけても打点が上がりにくく、むしろ役役トイトイの満貫変化があるので5ブロックに受けた方が打点面でも有利。メンツになりにくいカンチャンを外します。
ウザク式麻雀学習 牌効率
もっとも早くテンパイするには? アガリへの効率的な考え方とは? これまで発行した「麻雀傑作何切る300選」「麻雀定石何切る301選」の理解がぐっと深まる「牌効率」の考え方をやさしく解説。「何切る」読者なら絶対に欲しくなる、そしてこの本を買った人は逆に「何切る」本が欲しくなること必至!
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