- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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メンツ固定かヘッド固定か
テーマ19
同様の比較についてはこちらでもまとめております。
古くから何かと議論に上る、結論を出すのが難しい牌姿ですが、「どちらでもよい」ということを知っておくことが重要です。何故ならこのことから次の2つのことが言え、多くの手牌で打牌比較が容易になるためです。
・テンパイ受け12枚差でも良形テンパイ受けが4枚多ければ互角になるので、打点差が無ければほとんどの手は良形テンパイ受けが多い打牌が有利になる。
・同様の牌姿で打点差があれば、アガった時に打点が高くなる方が有利になる。
本書は例題だけで156問。前作2つをそれぞれ300問、301問、合わせると実に757問もの問題を解くことになりますが、これらの牌姿を一つ一つ覚える必要はありません。どのような牌姿であれば「どちらでもよいか」を押さえておけば、後はそこを基準に置いて比較すれば自ずと正着を選べるようになります。
テーマ20
巡目によって判断を変えるのは、基本的にテーマ19の例題のように他に比較要素が無い場合の話。打点差で明確にヘッド固定有利な場合は、鳴いて形テン取りを視野に入れる巡目でもないならヘッド固定でよいでしょう。
同様のことはメンツ固定有利なケースにも言えます。
両者に相応のメリットがある場合は難しく、再度巡目次第になることが増えますが、比較が難しいケースは後日機会があれば取り上げるとして、ひとまずは、テーマ19の牌姿と何が違うのかに気付けるようになりましょう。
テーマ21
便宜上好形テンパイ率も取り上げられていますが、重要なのは好形テンパイ率ではなく、好形テンパイの枚数であることには注意が必要です。「必ず好形になる」という理由で、好形テンパイの枚数自体が少ない場合もヘッド固定有利と誤解してしまう打ち手も少なからずいます。
テーマ22
メンツとターツがつながっている形を便宜上、「連続形」と呼んでいますが、単に「ヘッドが作りやすければメンツ固定」と考えた方がよいでしょう。ケースF、ケースGのケースも形のうえでは連続形であることは事実ですが、ここからメンツ固定を選んでしまうのは、「連続形」という名前にとらわれたが故のミスだからです。
ケースGのような通常ターツよりヘッドが作りにくい場合でも、一方のターツがヘッドを作りやすい場合やアンコがあるケースはメンツ固定有利になります。よって、「この形があればヘッド固定有利」と考えてもミスが起きがち。言葉で考えるよりは、1手先の形を想定する癖をつけたいものです。
テーマ23
元々他家からリーチが入っても押し返しやすいリャンメン×2の1シャンテンですから、それ以上変化をみるメリットは薄いです。基本的に将来安牌になりやすい牌を残した方がよいでしょう。
ただし、安牌を優先すると待ちが絞られやすくなるという欠点もあります。いずれにせよ先手が取れそうな序盤なら、一応外側から切って変化を残すことを選ぶことも考えます。
しかしどちらかと言えば安牌を優先した方がよい場合が多いでしょう。何故なら、リャンメン×2の1シャンテン程度にアガリに近い手牌になっている可能性は、序盤より中盤以降であることが多いことと、他家から先制リーチが入る可能性が高い中盤以降ほど、選んだ打牌が正着かどうかで結果に差がつきやすくなることが理由です。結果に影響しやすいケースを一通り押さえてから、少しずつ精度を高めていくことをお勧めします。
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