ネマタの戦術本レビューとは
- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第一章 攻撃のベストバランス
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個人的には、ピンフドラ1は余程のことが無い限りリーチしますし、カンチャンリーチドラ1程度でも、「他家に押し返されそうな手牌が入ってそう」という程度の読みであればリーチしています。「リーチ後必ず追いかけリーチが入る」としても、「先制リーチに安牌を切って追いかけリーチを打つ」よりは分の良い勝負(相手の追いかけリーチの宣言牌が自分のアガリ牌である可能性もある)であるためです。向かって来られると怖い手が他家に入っているとしても、その他家のアガリを阻止するうえで最も有効なのは自分でアガってしまうことですから、多少リスクが気になるとしても、役無しならリーチした方がよいことが多いものです。先制リーチ判断、追いかけリーチ判断の具体的な基準、ダマとの比較に関しては、『統計学のマージャン戦術』を御参照下さい。 ただし、テンパイする以前の段階では、本書でいうところの、「価値のある手組」を心掛けましょう。ここでの価値ある手組とは、同じカンチャンでも場況からアガリやすい待ちを残す、アガリやすいように河を作るという技術も含まれています。ただ何となく先制テンパイを目指すだけの手組であれば、結果的に分の悪い勝負を強いられることも増えます。 また、リーチを打つのが損とまではいかなくても、ダマにした場合と比較してさほど有利にはならないとなれば、テンパイ以前の段階で先手を取ることよりも、後手を踏んでも押し返しやすいように打点や待ちの強さをより優先した方がよくなるということも考えられます。どの辺りにリーチ判断のベストバランスがあるかは今後の研究課題ではありますが、微妙な手牌の場合は特に他家の動向に意識を向けるようにしたいところです。初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀
