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ネマタの戦術本レビュー第521回「片山まさゆきの楽勝麻雀 著:片山まさゆき  その1」

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Q1

 リーチ

 何も考えずにリーチくらいでもいいのですが、打牌比較をするうえでは、「自分の選ばない打牌を贔屓目に見積もる」ことも大事です。そのうえで優劣が変わらないと判断できれば、より自信を持って打牌を選ぶことができるようになります。

 今回はいっそのこと、「東家が純チャン三色ドラ1やダブチャンタドラ1の12000をテンパイしている」と仮定してみましょう。リャンメン待ちなら安めでチャンタがつかないのでカンチャン待ち想定です。

 しかしそれでも、「一発目でない親リーチに現物を切って追いかけリーチ」と比べても分の悪い勝負とは言えません。一発以外で親リーチに放銃した場合の失点は7500点程度(赤ドラ3枚入り)ですが、リーチの60%以上はリャンメン以上の待ちになっているので、手牌の価値としては12000のカンチャン待ちと大差ありません。

 「リーチの現物待ちでリーチするか」についても、基本的にダマで30符3翻以下のリャンメン待ちなら追いかけリーチが有利になります。今回は脇が東家の仕掛けに警戒していない場合はもちろん、警戒していたとしても待ちが絞りやすいので、少なくとも東家がリーチしている場合ほどはの出アガリが期待しやすいとは言えないのではないでしょうか。

 かなりダマ寄りになるような仮定を置いてみましたが、それでもダマ有利とは言えないという結論になりました。よって、この手は間違いなくリーチ有利であるとみてよいのではないでしょうか。

 今回はリーチしますが、ダマテンにするかどうかはともかく、鳴き手の他家が高打点の可能性が高いかどうか、テンパイに近いかどうかを見抜く力は重要です。どうやって見抜くのかは別の機会があれば取り上げるとして、明確に見えているリスクに対しては繊細に、見えていないリスクに対しては鈍感に打つことをお勧めします。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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