- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第二章
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のアンコ落としか切りとしていますが、どちらかと言えば打がよいとみます。何故ならの後手出しでを挟んでいるので、が当たるとすれば445m北から4mを先切りしたケース。
悪形待ちはなおのこと考えにくい。も通れば筋のもトイツで通りやすくなるためです(ペンについても、の形から先にを落とすケースが考えにくい)。
一般的に中張牌より端牌が通しやすいのは悪形に当たる頻度が少ないため。中張牌の中でも456が通りにくいのは良形に当たる組み合わせが2通りあるためです。逆に言えば、河読みから当たる組み合わせを絞れる場合は、中張牌の方がかえって安全になる場合もあります。
安牌に窮した時に外側の牌に頼る選択は意識せずとも多くの打ち手ができているので、実戦では内側の牌の方が通りやすいケースを見落とさないように意識しておくことをお勧めします。
アンコを落として安牌を水増す選択も今ではすっかり定着した感がありますが、数多くの戦術本で取り上げられる程度には、出来ていない人も多い重要事項です。
アンコの牌を切ることに抵抗があるというだけでなく、降り打ちになることを嫌う風潮が根強かったことの表れでもあります。
降り打ちが嫌われた背景には、「降り打ちするとつかなくなる」という、放銃という「結果」が配牌やツモという「抽選」に影響するとみなすオカルトがあります。
実際には、最善を尽くした結果の降り打ちは仕方ないとしても、力量に劣る打ち手ほど降り打ちの頻度も高く、降り打ちが多ければ勝つのは難しいというだけです。
降り打ちを恐れることはありませんが、本当に他に通りやすい牌はなかったのか、それまでの選択でより降り打ちしづらい手組に出来なかったかについては、検証を怠らないようにしたいものです。
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現在麻雀界はMリーグの開幕で活況を呈しています。トッププレイヤーによる真剣勝負をリアルタイムで観戦できるのは麻雀ファンとしても興味の尽きないところです。 そんなMリーグに最年少で参加しているのが日本プロ麻雀協会所属の松本吉弘プロ。第9回 TwinCup優勝、第25期 發王戦優勝などの勢いを買われ、サイバーエージェントがオーナーを務める「渋谷ABEMAS」に大抜擢されました。 元高校球児で強面。その容貌から「卓上のヒットマン」の愛称でファンに知られている松本プロですが、麻雀の腕も一級品。 その場の状況に応じて様々なスタイルを使い分ける「ベストバランス麻雀」を身上としてMリーグでも活躍しています。 本書は手順、読み、大局観、ゲーム回し、押し引きといった麻雀で勝つための重要事項をテーマに、松本プロが自身の戦術を初披露した、ファン注目の一冊です。