- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第二章
16
06「迷彩と手組」の項目でも触れられたように、狙い通りの迷彩が出来て他家から出アガリできるようになることはそれほど多くありません。
よって自分の手牌の都合で打つのが基本になるのですが、迷彩とまではいかなくても、テンパイ時に他家に待ちを絞られにくい河にすることができれば、それだけ他家も押し返しづらく、ツモアガリの抽選を受けやすくなるとも言えます。
104ページの手牌からの順番で切ることを「順切り」。
の順番で切ることを「逆切り」と呼びます。受け入れ4枚のロスを埋め合わせるほど逆切りに効果があるのかは今後の研究課題となりそうですが、単に
待ちと読まれにくくなるだけでなく、全体的に待ちを絞りにくいので他家が押し返しにくいということは確かです。
を切っているのにテンパイ時に
を切ってリーチとなれば、
と何かのシャンポン待ちも候補になるので、他家にとって切りづらい牌がなおのこと増えます。
ただし、浮き牌として価値の高いドラ表示牌より後でマンズを外したとなると、
が早いことからソーズ待ちが残っているとすれば
が本線、
を先に切っているとはいえマンズターツが残っている可能性が十分あると読むことはさほど難しくありません。
河作りを意識するなら、1巡前の打の時点で打
とするのも一つの手です。手組のうえでも
を引っ張ることでドラ
を2枚使える変化が残るので案外有力ではないでしょうか。
を切っているのに
を引っ張ると
待ちが読まれやすいのですから、それを逆用して単独のターツ落としであっても、片側を引っ張るというのも待ちを絞らせづらくする手段として有力です。効果自体はさほど高くないとみますが、ターツ落としの度に選択できるので利用頻度自体はかなり高い技術と言えます。手組のうえで不要な牌は安牌と取り替えるのが基本ではありますが、序盤で安牌を抱える必要性が薄く、特にアガリのリターンが大きい手牌の場合は、こういった細かい工夫を積み重ねて少しでもアガリやすい河を作ることも意識してみるとよいでしょう。
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