- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
SYSTEM39
ここからの内容は、「麻雀は1位を取るゲーム」という考えに固執しがちな人向けのシステムと言えます。元々1位を取るゲームという感覚があまり無かった私の場合は、「動揺せずこれ以上転落しないようにしよう」が先行してしまい、再度トップを狙える手を逃したり、慎重になるあまり2着キープもできずに終わってしまうことが結構あります。誰しもメンタルが崩れかけている時はミスが増えがちですが、どのような時に、どのようなミスが増えるのか、どのような対策が望ましいかは結構人それぞれなものです。麻雀が強くなるために最も必要なことは、もちろん麻雀というゲームを知ることにありますが、次に重要なのは敵を知ることより、己を知ることにあるのではないでしょうか。
SYSTEM40
精神面が打牌に反映されることがよくあるというのは事実ですが、結果の良し悪しや、打牌理由に精神面を持ち出すことについては懐疑的です。何故なら、より的確な原因があることがほとんどだからです。2着とラスの差は精神衛生というより単に収支の問題。トップ総取りのルールでもないのに、2着とラスの差を軽視するのは本人の知識不足。2着でもよしとすべき局面で無理にトップを狙うのは本人の技量不足の問題です。
この手のミスが連鎖することを防ぐために重要なのは、過去を引き摺らず、未来に囚われず、あくまで今ここで何をすべきかで判断すること。それこそ、途中で誰かの代走をすることになったつもりで打つといいかもしれませんね。
SYSTEM41
トップが絶対条件のルールであれば、トップが遠い打ち手は親以外で安手でアガリに向かわなくなるので、結果的に高打点の手が仕上がりやすくなり、トップからの直撃狙いのダマも増えます。しかし、ダマで高い手は狙って簡単にできるものではありませんし、そもそも相手が何としてでも高くしようと手作りしているとは限りません。自分なら何としてでもトップを取りにいこうとするが故に、相手もそうだろうと思い込んで、ダマや仕掛けを過剰にケアしてしまう。ダマテンをケアし過ぎるのも、「麻雀は1位を取るゲーム」という意識が強過ぎる人に見受けられる傾向かもしれません。
SYSTEM42
トップ総取りルールでもないのにこの局面で見逃しを考えるのは、少なくとも昨今の麻雀戦術書で学ばれている方の中では少数派だと思います。
しかし、トータルの収支ではなく、「プラスで終われる可能性を少しでも高くする」ように打つべきと考える人も少なからずいます。これは見栄を張っているというよりは、人は心理的に、損失局面(アガっても3着でマイナス確定)では損失を最大限に回避(見逃してトップ、2着狙い)する傾向があるというプロスペクト理論で説明がつきそうです。
SYSTEM43
こうした嫌みを言う人が少なからずいるのも、人がマイナスを確定させる選択を嫌う心理的傾向があり、その傾向から、「(トップ以外の)着順の変わらないアガリは悪である」という思想が生まれたためと言えそうです。麻雀はどこまでいっても、ルールの範疇で自分の収支を最大化することを目的とするゲーム。嫌みを言われたとしても遠慮は禁物です。
もし、固定メンツで打っていて、嫌われると麻雀に誘われなくなるリスクがある場合については、対局していない時の人間関係でフォローしましょう。この辺りの話は、「セット麻雀必勝法」でも言及されていましたね。
麻雀勝ち確システム
1巡でも早く敵を押さえつけ自由に打たすな!!システムだけで天鳳最速十段、2年連続関東最強位の山越貴広さん(@yamakoshitenhou)によるプロが書けない異端の戦術!!
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著者の麻雀の中心であるリーチから始まり、今まで皆さんがあまり使ったことのないであろう戦術、また麻雀を打つ上で大事な「メンタル」についても。フリー、大会、天鳳、どのフィールドでも必ず成績は上がり、麻雀が今よりもっともっと楽しくなることでしょう。