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ネマタの戦術本レビュー第1060回「『麻雀鳴きの教科書』編 その6 著:平澤元気」

ネマタの戦術本レビュー第1060回「『麻雀鳴きの教科書』編 その6 著:平澤元気」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

第2章 鳴きの基本編

11副露目 副露の「肝」を押さえよう

拙著『天鳳公式完全攻略読本』では、①「まず役があるかを確認」②「鳴いてもあまり打点が下がらないなら鳴き」③「悪形を解消できる場合は鳴き」④「終盤(流局間際)鳴いてテンパイなら役無しでも鳴き」⑤「テンパイすれば守備力を考える必要はない」という形でまとめました。

本書の鳴き判断と変わるところはありませんが、①を加えたのは、役をつけるのが難しいのでそもそもアガリやすくなっていない鳴きが(成績上位層であっても)、天鳳では結構見受けられたからです。当時は私も結構鳴き寄りの打ち手でしたが、一昔前から麻雀を打っている身としては、このあたりは成績上位層では常識になっているものと思っていたので驚かされました。

しかし、一昔前からの打ち手は①を意識するあまり、流局間際にテンパイをとる発想に及ばないことも少なからずあります。容易に取れるテンパイ料を逃すのは戦績に大きな影響を与えるので、④を加えました。

「満貫あったら全力疾走」をあえて、②「あまり打点が下がらないなら」と印象に残りにくい表現にしたのは、役牌をポンしてこれ以上打点が変わらない1シャンテンであっても、③を優先してリャンメンからは鳴かないとする記述が一昔前の戦術論では結構見受けられたためです。

ただしこれが2副露でテンパイしないとなれば、一度鳴いたら打点が変わらないからといって何でも仕掛けてよいとは限りません。テンパイするまでは守備力を考慮する必要があるということで、⑤を加えています。改めて、副露の肝を言語という形で簡潔に押さえることの難しさを感じさせられました。本書にあります通り、正解を求めることにこだわらず、まずは考え方を学びましょう。

12副露目 最強副露役! 攻守兼用のホンイツ!

「安い」「遠い」「安牌が無い」鳴きはタブー。それなら鳴かないと決めつけるのではなく、「安い」「安牌が無い」を解消してやればいいと考えます。その手段として最も有力なのがホンイツを目指すことです。

本書にもある通り、ホンイツに移行するかどうかは一色の枚数にそこまでこだわる必要はありません。重要なのはホンイツに移行した時としなかった時の打点差。いずれにせよアガリがかなり遠いのだから、ツモがうまく噛み合った時は高打点が狙えるようにしておいて、そうでなかった場合は他家のテンパイに降りやすいように安牌を抱えておく。まさにホンイツは攻守兼用の手役です。

13副露目 トイトイまでの距離

もう一つの手段がトイトイ。トイトイは守備力が残りにくいことが多いので個人的にはチートイツを目指すことが多いですが、トイトイも字牌を、安牌兼重なった時に鳴きやすい攻守兼用の牌とみなすこともできます。牌姿Dからをポンしてマンズ落とし(重なり狙いで少しだけ残す)は個人的に盲点だったので参考になりました。

麻雀鳴きの教科書

アガリ回数を劇的に増やす!鳴きの技術

メンゼンで我慢するか、鳴くか。どの牌なら鳴くか、何巡目から鳴くか・・・。

副露はアガリ回数や得点に直結する分野でありながら、麻雀技術の中でも特に「上級者でも意見が分かれやすい」問題です。
例えば副露率40%を超える天鳳位は何人かいますが、同じフィールドで結果を出している副露率20%台のツワモノも存在します。

本書で鳴き判断の本質を学べば、悩ましい場面に直面したとき少なくともどういう道筋で考えていけばいいのかがわかるはずです。そして、そのように自分で理由をつけられるプレイをすることが麻雀では非常に重要なのです。

ぜひ本書で鳴きの極意を体得してください。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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