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ネマタの戦術本レビュー第1069回「『麻雀技術の教科書』編 その1 著:井出洋介・小林剛」

ネマタの戦術本レビュー第1069回「『麻雀技術の教科書』編 その1 著:井出洋介・小林剛」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

序章 麻雀というゲームの特性を理解する

・いつもアガって、必ずトップになれる強者などいない

本書で紹介されている勝率の計算方法は平均順位に置き換えられます。平均順位2.5位が勝率5割。平均順位1位が勝率10割。勝率が1割高くなると平均順位が0.3位良くなるので、勝率5割6分6厘の井出プロの平均順位は約2.3位ということになります。平均順位だと普段あまり麻雀を打たないプレイヤーにはピンとこない方も多そうなので、他競技と比べやすい勝率に変換するのも面白い試みです。

この方法だと平均順位1.9位で勝率7割。将棋ならプロの世界の中だけでもトップ棋士は勝率7割を超えますが、麻雀で勝率7割は、最強クラスと初心者3人で卓を囲んだのでもなければ長期の結果ではまず現れない数字。いかに麻雀が運の要素が強く、常勝の打ち手など有り得ないのかが分かります。

・麻雀に必要な能力とは

私は麻雀に必要とされる技術について、公開情報のうち何に着目するかによって場合分けしています。麻雀の公開情報は大きく分けて、「自分の手牌」「自分の打牌」「河、鳴いた牌、他家の挙動」「点数状況」の4つ。主に自分の手牌に着目するのが①「手組」。主に自分の打牌に着目するのが②「押し引き」。主に河、鳴いた牌、他家の挙動に着目するのが③「読み」。点数状況に着目するのが、④「点数状況判断」です。本書で紹介されている7つのうち、前4つが①、中2つが②、最後が③になります。④については①②③全てに関わる技術と言えます。

「例外的に、牌効率やオリの手順だけは正解がある」と書かれていますが、ここでの「正解がある」は人間の理解を中心にした物の見方。麻雀というゲームの性質からすれば、人間が理解しているかどうかに関わらず正解は存在するので、私は「正解が分かっている」と表現するようにしています。

・誤解されがちな牌効率の技術

「牌効率」という言葉が、麻将連合の忍田プロが提唱したものであること。単純な受け入れではなく、いち早くアガリやすい打牌選択を行う技術を指しているということ。何となく「牌効率」という言葉を使っていた方は、是非ともこの事実を知っておかれることをお勧めします。「アガリ」という結果に着目すれば誤解が起こらないので、私は単に「アガリやすい選択」と呼ぶようにしています。

アガリやすい選択はスピード重視とも言われますが。これも実際は、「アガリまでの距離(シャンテン数)」「目先のシャンテンが進むスピード(受け入れ枚数)」「将来のシャンテンが進むスピード(アガリやすい形の残りやすさ)」の3つに分けて考えるべきでしょう。どの要素をどの程度優先するか。そのことを踏まえたうえで、次章以降の内容に目を通されると理解が早まります。

麻雀技術の教科書

読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!

麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。

打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。

「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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