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ネマタの戦術本レビュー第1070回「『麻雀技術の教科書』編 その2 著:井出洋介・小林剛」

ネマタの戦術本レビュー第1070回「『麻雀技術の教科書』編 その2 著:井出洋介・小林剛」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

第1章 基本となる手組みの考え方

case1 字牌の切り順に正解はあるのか

「役牌雀頭の役無しリャンメンリーチ」と、「役牌と何かのシャンポンリーチ」。役牌でアガると1翻つく、字牌は数牌より出アガリしやすいということから後者がやや有利であることが分かっています。つまり、役牌が重なってトイツになれば、リャンメンと同等かそれ以上に価値が高いメンツ候補になると言えます。

牌姿1はメンツ候補は揃ってますが、まだ役無し悪形が残る可能性があります。よっても全くの不要牌ではないので切りという考え方が出来なくもありません。

しかし、これは自分の手牌だけを考慮した判断。実戦では、役牌を切る巡目が遅くなるほど鳴かれやすくなり、「鳴いた人のアガリ率が上がり、自分も含めそれ以外の人のアガリ率が下がる。」という要素があります。

「役牌を鳴かれるとどの程度アガリ率が下がるか」。定量的に示すのは困難ですが、「牌姿1から役牌重なりを残すことによるアガリ率増加」の影響に比べれば大きいことは想定できるのではないでしょうか。

牌姿2は1と比べると、メンツ候補こそ足りていますが1メンツもなく、メンツ候補は悪形ばかりで役をつけるのも難しく、役牌の重なりに期待したい手と言えます。

役牌を引っ張って後から切るとそれだけ鳴かれる可能性も上がりますが、役牌を鳴かれると、「鳴いた人のアガリ率が上がり、自分も含めそれ以外の人のアガリ率が下がる。」。牌姿2は元々アガリ率が低い手ですから、牌姿1ほどアガリ率を下げる損失が大きくありません。むしろ「それ以外の人のアガリ率も下がる」のですから、役牌を鳴いた人がアガったとしても、メンゼンで高い手が狙えた人のアガリを阻止できて結果的に得をする場合もあります。

本書の基準はどちらかと言えば役牌抱え気味。逆に手牌の進行が遅くても役牌を切り飛ばしがちなのが『山越本』の「役牌ポイポイ打法」。どちらも、手牌の進行が遅い時に役牌を鳴かれるデメリットを、手牌の進行が早い時より高く見積もっているようにみえる表現があったので少し気になりました。「手牌の進行が遅い時は、役牌を鳴かれるデメリットはむしろ小さい。」ということはもう少し意識されていいと思います。

麻雀技術の教科書

読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!

麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。

打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。

「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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