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ネマタの戦術本レビュー第1091回「『麻雀技術の教科書』編 その23 著:井出洋介・小林剛」

ネマタの戦術本レビュー第1091回「『麻雀技術の教科書』編 その23 著:井出洋介・小林剛」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

第4章 役作りの考え方

case41 手役を狙うメリット

現代麻雀はテンパイ即リーチが有利。手役を狙うことは軽視されがちとありますが、手役が軽視される最大の理由である一発、裏ドラが世間で定着し始めたのが昭和40年頃。それから実に50年以上の月日が経ちます。

しかし、競技団体で採用されるようになったのは1997年の最高位戦からと、実に30年近い開きがあります。従来の戦術書は競技団体に所属している打ち手によって書かれていたものだったので、「昔は手役重視」の印象がありますが、世間では元から言うほど手役重視ではなかったのかもしれません。

「配牌を見たら三色を探せ」とは阿佐田哲也氏が提唱した格言ですが、現在では否定されがちな傾向にあります。しかし、あくまで「探せ」であって、「狙え」ではないことに留意する必要があるでしょう。本書にある通り、知っていて狙わないのと、知らずに狙えないは大違い。探すだけなら対して労力も要らないので、狙うかどうかは別として、配牌の段階でどんな2翻役の可能性があるかを見ておくことをお勧めします。

case42 サンショクを狙う目安は?

本書では三色の種が何枚揃っているかを目安としていますが、シャンテン数と合わせて判断することをお勧めします。牌姿1は2シャンテンで6枚。牌姿2は1シャンテンで7枚。どちらもメンツ候補が揃っている形なので、三色になるためには1手変化が必要。変化が必要となると、枚数が多くても実際に三色になることはそれほど多くはありません。逆に言えば変化を経由せずに三色を残せるなら、枚数自体は多くなくても一応は残すことを推奨します。

1手変化なら、安牌との比較は将来押し返せる手順が残せるかどうか。牌姿1なら安牌を抱えていたところで他家のテンパイが入ればすぐ降りるところですから、を残しておくに越したことはないとみます。もし安牌が少ないうえに巡目も中盤に差し掛かっているというのであれば、受け入れを狭めるのは承知のうえでどちらも残すことも考えます。

牌姿2は既にリャンメン×2の平和1シャンテン。安牌を残していれば、他家のテンパイが入っても追いつきからアガリを阻止できる可能性が残せます。割に合わなければ降りればいいとありますが、降りずにアガリを取れたケースを逃すデメリットも結構大きいです。序盤ならを残しますが、中終盤はダマテンを警戒する必要がないと判断すればむしろ安牌を残すことが多そうです。

牌姿3のように狙える三色が複数考えられる場合もあります。しかし、複数考えられるということは1つ1つは崩れやすいということでもあるので、見た目ほど手牌の評価は高くないということにも注意しておく必要がありましょう。現代麻雀が手役が軽視されがちというよりは、従来の麻雀観が手役を重視するあまり手牌評価の判断を誤りがちだったというのが実際のところではないでしょうか。

麻雀技術の教科書

読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!

麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。

打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。

「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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