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ネマタの戦術本レビュー第1090回「『麻雀技術の教科書』編 その22 著:井出洋介・小林剛」

ネマタの戦術本レビュー第1090回「『麻雀技術の教科書』編 その22 著:井出洋介・小林剛」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

第3章 1シャンテン時の考え方

case38 裏目を引いてもフォローできる選択をする

 テンパイチャンスの種類で差がつかない場合は、裏目のフォローで打牌を決めることもあります。逆に言えば、テンパイチャンスの時点で明確に差がつく場合は、裏目のフォローよりそちらを優先すべきなので、裏目ばかりに気を取られないよう注意しましょう。裏目を考えるというよりは、テンパイする受け入れ以外の変化として扱った方が分かりやすいかもしれません。

case39  あえてテンパイチャンスの狭い選択をする場合

 基本的ににテンパイチャンスの種類が多い選択をすべきとありますが、むしろテンパイチャンス同士の比較なら、量より質を取った方がよい場合が多いものです。

 牌姿1はリーチのみリャンメンよりツモりサンアンコで満貫に届くシャンポンやチートイツの方がテンパイの質が高いです。

 ドラとなると、役アリ悪形より役無しでもリャンメン待ちが残った方がテンパイの質が高いとみます。打としてマンズの中ぶくれ形を残す選択もありますが、ツモならいずれにせよテンパイすること、ツモが二度受けになることから今回は打に分がありそうです。

 ドラやドラなら一転して打も考えられます。2シャンテンに戻りますが、マンズの中ぶくれ形が伸びればタンヤオがつく、仕掛けがきくのでむしろアガリやすいく、ドラが多いので鳴いても打点が下がりにくい。巡目に余裕があるうちは打。そうでなければ打というところでしょうか。シンプルに見えて意外と難しい問題です。

 牌姿2はテンパイチャンスより手変わりを優先するケース。4連形や中ぶくれ形、そしてドラの浮き牌がある場合は手変わりを優先することが増えます。

 本書では打を推奨していますが、ペンチャン落としならソーズがリャンメンになった時に手広い「雀頭2形」になり、ツモでもテンパイを逃す代わりに良形テンパイになる受けが多い「雀頭1形」になります。巡目に余裕があり、ペンでリーチを打つより手変わりを待った方がよいと判断するのであればペンチャン落としを推奨します。一方、鳴ける牌が出た時に形テン取りを視野にいれるほど巡目に余裕がないと判断するのであれば打とします。

case40 ドラ入りターツはどのように扱うべきか?

 牌姿1はテンパイチャンスに差がなく、ドラを使える方がテンパイとしての質が高いので打とします。ドラでない場合もカン待ちが残った時に若干アガリやすくなるように打がよいでしょう。

 牌姿2はドラ切りを推奨していますが、個人的には打推奨。テンパイチャンスは打と同じく21枚。ツモの多メンチャン、ツモの三色変化こそ無くなりますが、ドラを使えるうえに平和がつく受けが打と比べて3枚多くなります。

 33枚対21枚と聞くといかにも大差ですが、テンパイするまでの平均巡目でみれば2巡程度の差です。アガリ率で見れば少なく見積もって5%、多く見積もって10%差というところ。テンパイを逃したとしても、次巡以降一定の確率でテンパイする以上、元々テンパイしやすい牌姿は受け入れを狭めてもアガリ率は意外と落ちません。満貫未満の手で1翻アップするなら、5巡程度テンパイを遅らせても釣り合うことを踏まえると、2巡程度の差ならドラを残して1〜2翻高い手を目指した方がよいのではないでしょうか。

 

麻雀技術の教科書

読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!

麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。

打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。

「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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