- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第4章 役作りの考え方
case43 イッツーを狙う目安は?
三色同様メンツ3つで作る2翻役なので、基本的に同じ目安で進めます。一通はタンヤオがつかず、悪形待ちが残りやすいので、牌姿1のようにタンヤオ、良形テンパイが狙いやすい場合は見切ることが多いです。
しかし、「三色にならなくてもタンピンになるので無理に追わない」手牌がある一方、「一通にならないと役無し悪形濃厚なので多少受け入れを狭めても狙う」手牌があるので、三色の方が出来やすいとはいえ、狙って作ることは一通の方が多いかもしれません。牌姿2、3は一通にならなければ役無し悪形濃厚なので一通目を残すことは重要です。牌姿3から一通を狙うなら、ツモで一通になる受けが増えるようにシャンテン戻しの打を推奨します。
牌姿4は2メンツありメンゼンでもテンパイしやすい。ドラ無しならできればメンゼンで一通、一通が崩れてもリーチで打点を上乗せしたいところです。しかしのみ手であっても他家のアガリを阻止する効果がある以上、鳴き一通の目も視野に入れておきましょう。
case44 サンショクかイッツーのどちらを選ぶか?
サンショクとイッツーはともに3メンツ必要で共有できるメンツは1つ。アガリ形は1アタマ4メンツなので複合することはありませんが、1メンツを共有しているとどちらかを選択する手牌になることがよくあります。
基本は完成までに必要な枚数で決めることになりますが、枚数で判断するなら牌姿1は一通8枚、三色7枚で一通優勢。しかし三色側にはタンヤオがあるので、メンタンピンツモ三色で跳満に届く場合があります。本書では三色を推奨していますが、カンとカンのアガリやすさも踏まえるとソーズを落としていくことも多そうです。このあたりは場況で決めることになりそうです。
牌姿4は先にを引いた場合も、リーチして満貫の待ちと、リーチして跳満のカンなら出アガリやすさも踏まえれば後者が若干有利。先にをツモることもあるので純チャン三色狙いとします。リャンメンをあえてリャンカンにする選択はちょっと珍しいですね。
麻雀技術の教科書
読めば勝率が上がる! すべての雀士必携! 新しい麻雀戦術書!
麻雀の打ち方は人それぞれです。
本書の著者の二人を比べてみても、井出プロは手役重視、
小林プロはスピード重視と、スタイルがかなり違います。
打ち方が正反対の二人に共通する考え方があれば、
それは、現代麻雀のセオリーといえるのではないか。
この問いから、本書は生まれました。
「アガリ方の基本を1冊に」
「複雑な牌姿でも、迷わず打てるように」
というのが基本方針ですが、
ルールを覚えたばかりの人でも読めるように
丁寧に解説することを心がけました。