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ネマタの戦術本レビュー第1183回 「『世界最強麻雀AI Suphxの衝撃』編 その1 著:お知らせ」

ネマタの戦術本レビュー第1183回 「『世界最強麻雀AI Suphxの衝撃』編 その1 著:お知らせ」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるもの、または更に掘り下げたい部分等を取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

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第1章 強くなること

1.Suphxの実績

安定段位とは、「ラスを1回引くまでに何pt獲得出来ているか」とも言い換えられます。165ptなら安定九段、180ptなら安定十段。麻雀は運の要素が強いゲームですが、見かけの段位は東南戦であれば安定段位±1.5の間で変動することが多く、数千戦打つと、人によっては±2.0くらい変動する場合もあります。(実際の実力が変わらないことが前提なので、途中で実力に変動があれば更に変動があることも有り得ます。)

もちろん安定段位自体が運によって左右されるので、安定段位がそのまま実際の実力を表しているとは言えません。しかし、簡単な計算で求めることが出来るものの中ではこれほど優秀な指標もありません。5000戦以上対局して十段に2回到達しているSuphxが、既に人間のトップクラスまで到達していることは疑いようもない事実でありましょう。

しかも、特上卓での記録であるというのも見逃せないところです。繰り返すように麻雀は運の要素が強いゲームなので、同卓者の実力が高くても勝てる時は勝てますし、その逆も言えます。つまり同卓者の実力が高くても、勝った時に多くのptが獲得できる鳳凰卓(東南戦なら1位+90、2位+45)で打った方が、安定段位が同じならより高い段位まで到達できる可能性が高まると考えられます。

麻雀AIはノーミス(ここでのノーミスとは第1章5を参照)で何戦でも対局をこなすことができるため、人間と同じ条件で天鳳位(十段から昇格条件を満たす)を競うことができるのはアンフェアであるという判断から鳳凰卓での対局を認められていません。もし鳳凰卓での対局が認められていたのであれば、今頃天鳳位になっていた可能性も十分にあると言えましょう。

将棋AIは人間のトップクラスに追いついたと思われてから、数年後には人間の頂点を遥か飛び越え、人間がどうやっても届かない領域まで実力を伸ばしました。麻雀AIも数年後はそのような域に達することは想像に難くありません。麻雀AIが人間最強を超える。その歴史的瞬間に一麻雀関係者として立ち会えるのであれば、私個人としてはこれほど大きな喜びもありません。

世界最強麻雀AI Suphxの衝撃

世界最強の麻雀AIを人間のトッププレイヤーが本格解説!

2019年6月、麻雀AIで初めて天鳳十段に到達し話題をさらった「Suphx」(スーパーフェニックス)。

天下のMicrosoft社が麻雀という不完全情報ゲームに殴り込みをかけてきたのです。「Suphx」の強さはもはや人間のトップレベルに達しており、他のボードゲームがそうであるように、麻雀も「AIから学ぶ」時代に突入しつつあります。

本書はその端緒となるもので、最強のAIである「Suphx」を人間界のトップといえる天鳳位を獲得したお知らせ氏が徹底的に解説するのものです。

お知らせ氏の筆致は処女作である『鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム』で証明されたように緻密にして正確無比。「Suphx」の打牌を咀嚼し、人間の知として昇華する上でこれ以上の適任はいないでしょう。

ぜひ本書で「Suphx」の強さの秘密と、麻雀というゲームの深淵を味わってください。

●目次
第1章 強くなること
第2章 スタンダードな押し引き
第3章 中盤のスリム化
第4章 序盤の方針

●著者プロフィール
1989年9月18日生まれ。
神奈川県横浜市出身。東京大学工学部卒。
第14代四麻天鳳位。
著書 「鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム」(マイナビ出版)

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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