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ネマタの天鳳日記 第25回

ネマタの天鳳日記 第25回

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 勉強会での一コマ。前回も取り上げました、からを切るかを切るかの選択。東家が鳴いていますがまだテンパイはしてなさそう。

 それならここでは打として、東家の手が進んだ後で再びを引いた場合にを切って待ちへの放銃を回避できるようにをツモ切りました。

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 実際は既にテンパイしていて放銃。「現時点でが当たりになっている確率」と、「将来が当たりになり、なおかつ後からを引いてくる確率」なら、テンパイの可能性がかなり低いと読めるわけでもなければ前者の方が高いので、テンパイの可能性は低いとはいえノーテンを確信できる要素はない以上の方がよかったと後から思いました。 

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 東家の視点。からを切って待ちにした次巡に裏目のを引いたところ。

 ここでをツモ切りしましたが、手出しでを空切りなら待ちが読まれにくいですね。

 前回も申し上げましたが、ツモ切りでも同じ形になる時は不要牌だからツモ切りとする前に、手出しをする選択がないか今一度確認する癖をつけたいところです。

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 再び最初の局面ですが、検討会ではここで打はどうかという話になりました。を切るとツモでテンパイを逃しますが、その代わりに、次の三つのメリットがあります。

①将来危険になりやすいドラそばを先切りできる

待ちになった場合に待ちが読まれにくい

③マンズが良形変化した時にテンパイする受け入れが増える

 一般的に言えば、面子候補十分の形から浮き牌を残して良形に固定する理由は①危険牌先切り②待ちを読まれにくくする③手変わりの3つです。

 今回は①②③いずれのメリットもありますが、メリットそのものはそれほど大きいとは言えません。

 しかし、昨今の戦術論でリャンメントイツを残した方がよいとしているものは、①②③のいずれか1つの要素を考慮したうえで、リャンメン固定は得策でないと結論付けているものであり、①②③全てを踏まえた上での結論ではありません。

 また、リャンメントイツ残しが有利だとしても、リャンメン固定と比較して大差で有利になるわけではないというのも確かです。それなら、1つ1つは細かいメリットだとしても、メリットの積み重ねで判断が変わることも十分にあるのではないでしょうか。

 今回の手牌で、安牌を引いたりした場合にを先に切る選択はないかということも意識には入れていました。

 しかしをツモったところで、「切りか切りか」の2択と思い込んでしまい、第3の選択肢である打が頭から抜け落ちていました。「2つのうちどちらか」と言われると、心理的に第3の選択肢に気付けなくなるものです。

 「何をツモってきたか」という既に過去のものになった情報にとらわれずに、今の手牌、局面で何を切るかで考えれば、第3の選択肢にも気付きやすくなるかもしれません。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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