単に利用頻度が高い知識より、結果に影響を与えやすい知識から身につける
昨今では初心者にもとっつきやすいように平易に書かれていて、利用頻度が高い知識が一通り取り上げられている講座も数多く見受けられるようになりました。とりあえずそれなりに打てるようになることを目的とするのであれば、そのような講座を参考にされるのが望ましいです。
しかし、効率よく強くなることを目的とするのであれば、単に利用頻度が高い知識を満遍なく学ぼうとするより、結果に影響を与えやすい知識を優先的に身につけることをお勧めします。講座の内容自体はどれも正しいことが書いてあるけれども、どのような知識が結果に影響しやすいかについて言及されているものは案外少ないものです。
例えば手作りであれば、序盤のアガリに遠い段階より、アガリに近い段階、更に言えば高打点が狙いやすい手牌ほど、正確に打てるかどうかが結果を大きく左右します。しかし、アガリに遠い段階では「最初は浮いた字牌から切りましょう」とはっきり基準がかかれているにも関わらず、ドラや手役含みの1シャンテンでは、「打牌理由が明確になっていれば何を切っても良い」と書かれてあることが少なからずあります。確かに前者より後者の方が「正解」を出すのは難しいですが、前者で適当に打っても、後者で高い頻度で正解を選べるようになれば、その方がよりよい結果が出せるようになります。
拙著『勝つための現代麻雀技術論』ではそのことを踏まえ、手作りの章では、アガリに近い段階の打牌判断から取り上げております。アガリに近づくほど打牌選択で迷う手牌になりやすく、そのような手牌ほど、「自分の打ちたいように打ちたい」と思うのが人情ではありますが、アガリに近いというだけでも結果に影響を与えやすいチャンス手です。チャンスが来た時ほど、私情を挟まずに冷静に正解を選べるようになりたいものです。