完全1シャンテン以外に、特定の1シャンテンを指す言葉としてある程度定着しているものと言えば「黄金の1シャンテン」。くっつき1シャンテン(23331型)で、浮き牌にくっつくと三色にも一通にもなる両天秤の形です。
こちらは完全1シャンテンのように定義が分かれない…と思っていたのですが、こちらでは、タンピン三色と一通の両天秤と、三色になる場合はタンピンがつく形に限定しています。この時三色は234、345、567、678に限られます。何故なら456三色と一通の両天秤から高め三色テンパイになる場合は、123456か456789の形が残ってタンヤオがつかないためです。
「三色と一通の両天秤」が定義であれば、のような、端牌同士のくっつき1シャンテン。テンパイ時にリャンメンにならない形も黄金の1シャンテンになります。のような1シャンテンと比べると、テンパイする受け入れ枚数でも、良形が残る受け入れ枚数でも、打点でも明確な差がつきます。
しかし、「良形残りでなければ完全1シャンテンではない」と聞いても、「タンピン形でなければ黄金の1シャンテンではない」という主張を聞くことはありません。出現率も知名度も「完全」に比べれば低いというのもありますが、手役両天秤であることが「黄金」と呼ぶうえでの重要な要素であり、タンヤオがつくかどうかは瑣末だからというのもありそうです。個人的にもあえてタンピン形に限定する意味合いは薄いように思います。
手役両天秤のくっつき1シャンテンで、どちらの手役も打点面で匹敵するものと言えば、他に「一通とチャンタ(純チャン)の両天秤」、のような形があります。「三色と一通の両天秤」に比べると出現率が低いですが、こちらも「黄金の1シャンテン」と呼んでもいいかもしれませんね。