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斎藤俊の俺が麻雀見てやんよ -日刊スポーツ杯スリアロチャンピオンシップ5月度決勝卓 観戦記-

斎藤俊の俺が麻雀見てやんよ -日刊スポーツ杯スリアロチャンピオンシップ5月度決勝卓 観戦記-

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※タイムシフトは6月4日23:59まで

日刊スポーツ杯スリアロチャンピオンシップとは

協会、最高位戦、RMU、麻将連合所属プロが参加するワンデー競技大会。
1年で8回開催され各回の優勝者同士でグランドチャンピオン大会が開かれる。
簡単なルールとしては一発裏ドラあり、オカあり、5P-15Pのウマがある。

トータルスコア上位4名がスコア持越しで決勝戦を1回打ち、優勝者を決める。
今回は5月度決勝卓についてレポートする。

対局者紹介

狩野哲郎(RMU):116.9P
とにかく明るいキャラ!緊張しているとのことだが・・・本当か!?

光永尚詩(最高位戦):120.5P
24歳入会したて!一気に名前を走らせるチャンス到来!

柚花ゆうり(協会):154.6P
カメラの前こそ闘志が入る!強く、美しく、そして魅せる!

庄司麗子(協会):183.3P
新人王決勝、最強戦プロ予選決勝に次ぐメディア決勝、そろそろか!?

観戦記

東1局 ドラ

緊張感のある開局。親の狩野が戦いのドラムを鳴らす。


(リーチ)

狩野

親の捨て牌。ツモ切りは一段目からのトイツ落としをしている。
ターツ選択によりタンヤオ寄せの好形テンパイが予測されやすい。
ここでのはノータイムツモ切り。
ツモ切り時に、枚数比較をじっくり行うと関連牌であることが推測されてしまう。

さて、リーチを受ける光永は最低でもトップが優勝条件。

 ツモ

ある程度押し返す必要がある光永はターツ比較で吸い寄せられるように一発でを打ってしまう。
狩野の好プレーにより7700の和了。
実に細かなことであるが、このような所作、タイミングは勝負所で有利になることもある。

東1局 1本場 ドラ

今度は先ほど放銃した光永が800/1600は900/1700を和了。

 ツモ

優勝のみに価値のある対局では、条件を満たすために、ドラ引き、タンヤオ牌引き、もしくは強い待ち牌を引いてからのリーチという選択も存在する。

そして光永が選んだツモ和了の選択肢も当然ながらある。

東2局 ドラ

親を引いた光永が連続和了で、裏ドラも乗せ4000オール。

 ツモ

柚花のリーチ棒と合わせ一気に光永はトップ目、そして庄司、柚花が逆連帯になり光永に優勝の並びが出来る。

東2局 1本場 ドラ
ここでなんと親の柚花に四暗刻聴牌が入る!

 ツモ

・・・も宣言牌で庄司に5200は5500の放銃となってしまう。

庄司

 ロン

実は庄司、配牌時点では

決して良いものではなかった。

と河に並べ受けに回る。赤のないルールでは牌配から受けに回ることが多くなる。端牌を集め他家の攻撃に備えること、そして本局のようにうまくツモが噛み合った時に高くなるように。

東3局 ドラ
この局は狩野から一閃。

 一発ツモ

2000/4000で庄司まで15.0ポイントまで迫る。

東4局 ドラ

北家柚花一人テンパイで3000点を加点し折り返しを迎える。

狩野:34000
光永:30800
柚花:11600
庄司:22600

南1局 1本場 供託1 ドラ

トップ目とは言え素点を積み上げる必要がある狩野。
積極的に声を出し先制聴牌を入れる。

 チー ポン

光永からリーチが入る。

狩野がを掴み8000点の放銃となった。条件戦ならではの致し方ない放銃である。最後の親を落とした狩野は条件がかなり厳しくなってしまう。

南2局 ドラ

親の光永、4000オール聴牌も流局。

 ポン チー

この流局により優勝まで僅か1.3ポイント差に肉薄!完全に射程圏である。

南2局 1本場 ドラ

柚花の先制リーチ

狩野の追いかけ

しかし和了牌4枚を山に残し流局となった。

解説席では流局間際に、本局の場面を例にしたやりとりがあった。

新井啓文「山に2枚づつ当たり牌がある残りツモ牌が4枚の時の2件リーチ。狩野が1枚目、柚花が3枚目がツモ牌の場合、残りの二人がオリ打ちや鳴きがない場合に決着する(誰かが和了する)確率は何パーセントなんだろう??」

武中進「うーん・・・ぱっと出てこないなぁ・・・」

難問を突き付けられた武中の顔は(・へ・)になっていた。

正解は最後に発表しましょう!

南3局 2本場 供託2 ドラ

親の柚花に待望の先制リーチ

狩野がオーラスに望みを繋ぐ追いかけリーチ

程なくをツモ。裏は乗らずに1000/2000となり、オーラスに条件を作る。

南4局 ドラ

オーラスの優勝条件は以下の通り。

狩野32800:3000/6000ツモ、庄司8000直撃、16000出上がり

光永40400:庄司に対し1300以上の加点

柚花 7900:6000/12000ツモもしくは32000出上がり条件

庄司18900:各位に上記を満たされないこと。

狩野が先制聴牌即リーチ。庄司直撃、ツモなら即or裏条件である。

同巡光永も聴牌を入れ、打。リーチ棒が出ているので条件を満たす聴牌。

  ポン  ツモ

さらに庄司が同巡聴牌で追いかけリーチ!!

3件同巡聴牌、場は一気に沸騰し3者の緊張感が最高潮に。

狩野の一発目のツモ牌は・・・・

庄司の当たり牌であるを掴み12000の放銃となった。

これにより事実上の終戦を迎え、1本場は庄司の18巡に及ぶウイニングランでfin.

4位 狩野哲郎(RMU)
冒頭の宣言通り最終局まで条件を残したが、優勝までわずかに届かなかった。キャラクターが立ち、トークも出来る!明るいキャラクターが出てきた。細かな技術も持ち合わせており、今後の更なる活躍を期待したい!

3位 柚花ゆうり(協会)
常にカメラを意識出来る余裕!カメラの前で役満を和了したらカッコ良く無いですかー!?とさらっと言えてしまう!明るい笑顔の裏にはくやしさもあると思うが、またファンがいっぱい増えましたね!

2位 光永尚詩(最高位戦)
1300点で涙を呑む。しかし負けた経験は心を強くする。ぎりぎりで負ける悔しさは競技ならでは。プロ一年たってない24歳。光る腕を更に磨いて決勝の舞台に戻って・・・次は涙を飲ませてやれ!

庄司は私(斎藤俊)の同期である。彼女の麻雀のイメージを聞くと、攻撃型とか大胆とか、という声を聞く。彼女の麻雀歴は実はまだ5年弱。プロ入りして3年の時が彼女の本来持っていた攻撃をベースにバランスをも整えていった。

彼女は同期では誰よりも多く研究会や勉強会に顔を出し、SNSで誰よりも多く麻雀の質問をし、誰よりも多くの様々なルールの競技麻雀を臆することなく経験してきた。そんな経験は彼女を同期の中で一番成長させた。麻雀に絶対はないが、彼女の成長だけは間違いなく絶対だ。

決勝では一番配牌が悪かったように思う。

「やることやります」

彼女の冒頭のあいさつの通り悪い配牌でも、やることやれたね!

おめでとう!麗ちゃん!

スリアロチャンピオンシップ5度優勝は・・・

日本プロ麻雀協会 庄司麗子でした!

【問題の答え】
約42.6%の確率で決着

 

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この記事のライター

斎藤 俊
入会1年目から雀竜位C級予選から駆け上がり第12期雀竜位を獲得。
門前と鳴きを使い分け、バランス良い麻雀を打つ。

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