麻雀ウォッチ編集長のtarooです。
巷で話題のニュースから麻雀に使えるヒントを得ようという試みの新連載第2回!
その名も『tarooが斬ル』!
斬るや斬らざるや。こちらが斬られるまで麻雀界をばっさばっさと斬っていきましょう!
今回は、いま最も雀荘の営業に影響があるのではないかと恐れられている「受動喫煙防止対策」についてです。
受動喫煙防止対策とは
2020年の東京五輪に向けて、厚生労働省が昨年10月に、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の対策を強化する案(健康増進法改正案)を発表しました。
最近の五輪の開催地は罰則を伴う受動喫煙防止対策を取っており、今回の案では、スタジアムや主な公共施設で建物内禁煙、飲食店などサービス業の施設は原則禁煙とし、喫煙室の設置は認めています。
▼参考記事
受動喫煙防止へ罰則付きで法整備へ 厚労省がたたき台:朝日新聞デジタル
このたたき台を発表した厚労省は、関連団体を集めて公開ヒアリングを行いました。とくに飲食業界からの反発が強く、個人経営の飲食店などは喫煙室の設置が難しい、経営に悪影響を及ぼす、などの反対の意見が出ています。
厚労省は各業界の意見もふまえ、3月1日に、たたき台をもとにした健康増進法改正案原案を発表しました。悪質な違反者への罰則が明確に示されました。厚労省は法案化を急ぎ、今国会への提出を目指しています。
焦点の飲食店は、30平方メートル以下のバーなどに限って例外として喫煙を認めるが、レストランや居酒屋などは屋内禁煙(喫煙専用室の設置可)とする。悪質な場合、施設管理者に最大50万円、たばこを吸った本人に同30万円の過料を科す。
▼参考記事
飲食店は原則禁煙、違反は罰金50万円 厚労省案公表:朝日新聞デジタル
小さなバーやスナック、「禁煙」規制せず 受動喫煙防止で厚労省が原案 - The Huffington Post
麻雀業界の対応は?
雀荘は飲食店と同じく、原則禁煙で、喫煙専用室を設けることは認められます。禁煙雀荘が増えてはきたものの、タバコのイメージがまだまだ強い業界なので、何も対応しないというわけにはいきません。
昨年10月の公開ヒアリングでは、麻雀(雀荘)業界団体の全国麻雀業組合総連合会(全雀連)が出席して意見を述べました。現実的に喫煙室を設置することが難しい店が多く、業界の衰退に繋がりかねないことから、規制の緩和をお願いしています。
▼参考記事
受動喫煙防止対策強化案 全雀連が公開ヒアリングに参加し意見 - 麻雀ウォッチ
また、厚労省の動きの速さに合わせて、国会議員への陳情も行って対応を急いでいます。
受動喫煙防止対策強化の件で、東京都麻雀業協同組合として内閣府副大臣・石原宏高議員に陳情。賛否両論の中、中小零細企業にとっては深刻な問題であるということをお話しされており、業界の状況もご理解頂きましたが、東京都は都も強化の方針であるゆえ、身動きが取れないとも。
— 髙橋常行「麻雀界」編集長 (@joukou0905) 2017年3月7日
今日は受動喫煙の件の第二弾陳情。今回は全雀連顧問片山さつき参議院議員と面会。パーティーや大会の挨拶での温和な先生と違いエネルギッシュな姿を目の当たりに。先生はタバコは実は嫌いだけど、中小零細企業が路頭に迷う規制の進め方には断固反対とのこと。力強い応援を頂きました。 pic.twitter.com/yr9h65EwJo
— 髙橋常行「麻雀界」編集長 (@joukou0905) 2017年3月8日
喫煙室の設置は不可能?廃業一直線か?
ちょうど昨日、関西の雀荘オーナーとお話しました。
「関西は三人麻雀の小さなお店がほとんどで、お客様の喫煙率は9割。喫煙室の設置は難しく、廃業するしか無い」
全体的に喫煙率は減少傾向にあるものの、まだまだ他業種に比べれば非常に高い数字となっています。
「喫煙室を設置するにしても、卓数の減卓や構造変更が必要で、警察へ変更申請を行わなければいけない。喫煙室の設置にもお金がかかるし、申請中に営業を停止するなら、その期間の補償はしてくれるのか?」
風俗営業ならではの問題も発生しており、その対応がどうなるかはわかりません。
禁煙にすることでお客様が増える?
では、実際の麻雀愛好家の意見はどうなっているのでしょうか。麻雀ウォッチ編集部ではTwitterでアンケートを採ってみました。(Twitterの仕様上、アンケートの各質問の回答者が同一であるとは限りません)
これより、日頃雀荘に足を運ぶことがある方に喫煙にアンケートを行います。
質問1:あなたはどの程度たばこを吸いますか?— 麻雀ウォッチ (@mjnewsnet) 2017年3月3日
質問2:(喫煙者の方に質問です)加熱式たばこや電子たばこを利用していますか?
— 麻雀ウォッチ (@mjnewsnet) 2017年3月3日
質問3:雀荘が禁煙であった場合、雀荘へ通うことは増えますか?
— 麻雀ウォッチ (@mjnewsnet) 2017年3月3日
喫煙に関する追加の質問です
質問4:雀荘が完全禁煙になることに賛成ですか?反対ですか?— 麻雀ウォッチ (@mjnewsnet) 2017年3月9日
インターネットでのアンケートであることを考慮すると、比較的年齢層が若い方が回答していただいたかと思います。それでも6割が「たばこを吸わない」、4割が「禁煙になった場合に雀荘へ通うことが増える」と回答しています。そして、完全禁煙に賛成が反対をわずかに上回っています。
実は都内では、禁煙フロアを有するお店の場合、禁煙フロアから順に埋まっていくケースが見受けられます。
「洋服にたばこのにおいが付かないのが良い」という意見はとても多く、女性も良くみかけるようになりました。
また、飲食店においても最新の意識調査では、全面禁煙の飲食店の利用頻度について、増える回答が減る回答を上回る結果が出ています。
これらを踏まえると、雀荘の禁煙化によって必ずしもお客様が減り、売上が減るとはいえないのかもしれません。
とはいえ、今後の動きは注視していかなければならないでしょう。
▼参考記事
ごひいきの飲食店、禁煙ならもっと行く 受動喫煙対策法案めぐる最新意識調査 - J-CASTニュース
「禁煙化で小規模飲食店が潰れる」は大ウソだ | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン
いままで良かったことがいきなりダメになる法律の恐ろしさ
それにしても、今回の法律改正はあまりにも早い動きで驚くばかりですが、いままで良かったことがいきなりダメになるというのはなんとも恐ろしいことです。
極端な話、「麻雀は体に悪いから禁止します!」なんていう法律ができてしまったら、全国の雀荘が廃業してしまいます。
麻雀は娯楽なので、人間が生活するにあたって必ず必要なものではありませんし、代わりの娯楽はたくさんあるので、もし悪いイメージが先行してしまったら、そんな日が来てしまうかもしれません。
そうならないためにも、麻雀が大人も子供も楽しめるようなメジャーな大衆娯楽として認知されるようになり、認知症予防・地域交流の活性化など、麻雀・雀荘が社会に貢献していることを常に発信し続けていかなければならないですね。