1981年の日本プロ麻雀連盟創設以来、第一線で活躍する前原雄大。2020シーズンで自由契約となったが、Mリーグでは数々のドラマティックな展開を見せてくれた。長きに渡り麻雀界で活躍してきた前原だが、彼の長い人生の中で、麻雀と出会ったきっかけは何だったのだろうか。前原の人となりや麻雀との出会い、そして彼の劇的な試合を振り返ろう。
目次
前原雄大の基本情報・プロフィールデータ
名前 | 前原 雄大(まえはら ゆうだい) |
異名 | 地獄の門番 |
生年月日 | 1956年12月19日 |
出身地 | 東京都 |
血液型 | A型 |
本人公式SNS | |
所属団体 | 日本プロ麻雀連盟 |
プロ入会年 | 1981年 |
主なタイトル | 第4、12、25期鳳凰位 第5、14、15期十段位 他多数 |
同じくチームメイトであった佐々木寿人をデビュー前からプロの世界に誘っていた1人でもあり、前原と寿人で「チームがらくた」を結成。数々の後輩からも慕われている、麻雀業界のお父さん的な存在でもある。
経歴
1981年:日本プロ麻雀連盟第1期生としてプロ入り
1995年:第12期鳳凰位
1997年:第14期十段位
1998年:第15期十段位
2008年:第25期鳳凰位
2018年:KONAMI麻雀格闘倶楽部 入団
2021年:KONAMI麻雀格闘倶楽部 退団
麻雀との出会い・きっかけ
前原が初めて麻雀に出会ったのは6歳の頃。近所の人たちから麻雀を教えてもらったことがきっかけだ。母親が牌譜が好きだったこともあり、当時は家に母親用、前原用、保存用と創刊号から最終号まで総冊約3000冊を超える麻雀本があったという。月日が経ち、1981年、25歳の頃、前原は結婚と同時に麻雀店をオープンさせる。日本プロ麻雀連盟設立に伴い、突然の誘いによって日本プロ麻雀連盟へプロ入りを果たしたのであった。2021年に前原は65歳を迎えた。65年間の歩みについて、麻雀ウォッチでのインタビューにて詳しく語ってくれた。「麻雀とは何なのか──」その答えに気づかせてくれた文豪達との出会い、そして数々のドラマは以下の記事から触れることができる。
前原雄大「麻雀自由であれ」先人としての誇りと願い Mリーガー列伝(23)
Mリーグの個人成績
開催年 |
順位 |
ポイント |
2018 |
8位 |
84.8pt |
2019 |
11位 |
80.3pt |
2020 |
26位 |
-251.8pt |
代名詞のガラクタリーチをはじめ、攻撃的な雀風でKONAMI麻雀格闘倶楽部の大黒柱として活躍してきた前原。しかし、2020シーズンでは本来の力を完全に出し切ることはできなかった。チームの事を最優先で考える前原は、大きなマイナスを記録してしまったことに対して大きな責任を感じていたそうだ。何より優勝を望んでいた前原は自らMリーグでの戦いに区切りをつけ、次世代の麻雀格闘倶楽部ファミリーに夢を託すのだった。
前原雄大の打ち方や雀風
前原の麻雀は、攻撃的なスタイルが特徴的だ。中でも特筆したいのは攻めの強さで、多くの試合において相手のリーチに果敢に攻め込んでいく前原の姿が多く見られる。また前原の雀風で欠かせないのは「ガラクタリーチ」と呼ばれる愚形リーチである。リーチ自体が、がらくたとよばれる愚形であったり、打点が低いもの、捨て牌から読みにくいものであり、対局者との熱いリーチのつばぜり合いが発生する。
前原雄大の対局時の様子
Mリーグ2020 レギュラーシーズン 12月10日 第2試合
この日の第1試合で2020シーズンにおける1試合の最高スコアを更新した内川幸太郎(サクラナイツ)。その勢いは止まらず、連闘でプレッシャーをかけてきた。前原はいつも通り愚形でも意に介さず東1局からペンチャンリーチをツモリ、トップ目に立つ。さらに東2でもリーチのみをシャンポン待ちでリーチとすると、これが裏3で12000に化ける。
さらに東3局の親番で連荘を重ね、トップを盤石にすると、後はそのまま他3人の2着争いを眺めながら悠々と逃げ切った。
【12/10 Mリーグ2020 結果】第一試合はサクラナイツ・内川が南場のアガリラッシュで今シーズン最高スコア更新!第二試合は麻雀格闘倶楽部・前原が序盤のリードで勝ち切る!
Mリーグ2020 レギュラーシーズン 11月27日 第2試合
第1試合では当時チームメイトの藤崎智がトップを取り、連勝を目指す前原。東2局に12000を和了した萩原聖人(雷電)が一歩抜け出す展開で試合が動いた。そして東3局で12000を振り込んだ園田賢(ドリブンズ)。その後は萩原が和了し、前原は置いて行かれる形となる。
しかし南2局で3900を園田から和了すると、南3局ではリーチから高め三色となる跳満和了でついに萩原を逆転する。オーラスも自分でアガリ切り、待望の連勝をチームにもたらした。
【11/27 Mリーグ2020 結果】麻雀格闘倶楽部が藤崎、前原の布陣で連勝!上位3チームに大きく詰め寄る!
Mリーグ2020 レギュラーシーズン 10月20日 第1試合
「Mリーグ2020 レギュラーシーズン 10月20日 第1試合」ではチーム順位は最下位と、厳しい状況からのスタートとなった。まずは黒沢咲(雷電)が跳満和了すると、茅森早香(フェニックス)が3連続和了で黒沢を追いかけるという2人の争いが続く。ひたすら3人が和了を続け点棒を削られていくしかない、前原はなんと-200点まで持ち点を減らす。
しかし、南3局の親番で怒涛の連荘を見せて、一気にトップ目に立つが、次局堀慎吾(サクラナイツ)が跳満をツモったため、親被りで2着目に落ちてオーラスを迎える。トップの茅森とはわずか1500点差。ここで前原はヤミテンで白ドラ1をアガリ切り、見事トップをもぎ取った。
【10/20 Mリーグ2020 結果】麻雀格闘倶楽部が前原、寿人と怒涛の攻撃で連勝!チームは最下位脱出!
SNSでの評価・評判
前原はMリーガーでは沢崎誠(サクラナイツ)に次ぐ2番目の高齢選手だったということもあり、「まだまだ現役を続けてがんばってほしい」という応援する声が見られた。
あぁ〜ん???
— ペカッ (@Like_gogo_lamp) June 25, 2021
前原さんの卒業は悲しいなぁ〜?
楽屋裏話のツイートとか大好きだったのになぁ来年は見れなくなるのかぁ
これからも麻雀界でのご活躍を期待してます!#前原雄大#麻雀格闘倶楽部#Mリーグ
高齢でありながらMリーグという舞台で闘っているのがすごいという評価はもちろん、ベテラン勢にがんばってほしいという声も上がっている。
前原雄大のおすすめの動画
恐怖のガラクタ仕掛け地獄待ち
前原は親番を迎えるが、その配牌はバラバラでアガリには程遠い形。しかし、ここで前原は積極的に役牌をポンしていき、安全牌になりやすい字牌を次々に切り飛ばしてブクブクに構える。そして最後に待ちとなったのは2枚切れのドラの東。これがライバルからこぼれ、バラバラの手牌から5800のアガリをものにした。攻撃こそ最大の防御、と語りかけてくるかのような意思を感じる前原の選択に注目の一局だ。
うなる剛腕、ガラクタリーチ
前原が持ち前の剛腕で力強いアガリを見せたのがこの一局。序盤から手役による打点上昇を重視し、愚形部分を残し続ける前原。一見苦しいかに思われる形でも次々に有効牌を引き入れる。そして最後は伝家の宝刀、愚形ドラ待ちのガラクタリーチ。実際、山に残り1枚の厳しい待ちだったのだが、前原はなんとこれを一発ツモ。前原の力強い麻雀を見たい方は必見の動画だ。
前原雄大のニュース・こぼれ話
麻雀格闘倶楽部 ファン感謝祭が開催!
前原は2021年5月25日、惜しまれつつもMリーグ「KONAMI麻雀格闘倶楽部」を卒業することを発表。KONAMIの公式YouTubeチャンネルでは「応援ありがとう!KONAMI麻雀格闘倶楽部 ファン感謝祭」が開催され、Mリーグでの試合の振り返り、今だから語れるエピソードなどが公開された。動画内では寿人からのタレコミに思わず前原もタジタジになる姿も見られた。
この度、私、前原雄大はMリーグKONAMI麻雀格闘倶楽部を卒業する事となりました。
— 前原雄大 (@yudai1219) June 25, 2021
思い残す事は何もありません。
応援して下さった方々には、心より感謝致します。
ありがとうございました。 pic.twitter.com/fIuflwfj1S
病気、骨折…満身創痍の勇退
Mリーガーとなった2018年、前原はすでにMリーガー最年長の61歳。年齢による悩みは尽きず、「自分がMリーグに参戦して良いのだろうか」と感じることもあったという。2020シーズンをもって自ら退団を決意した際も、持病の悪化や骨折という不運が重なったことが大きな理由となったそうだ。選手として一線を退いた前原だが、これからもKONAMI麻雀格闘倶楽部の心強いサポーター、そして日本一のファンとしてチームを支えてくれるだろう。
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