- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第3章
Q14
他家が降りていて流局までツモれることが前提であれば、残りツモ5回でも3メンチャンなら30%以上アガれるのですが、親が無スジのを切っている以上その前提は成り立たないとみるべきでしょう。
フリテンリーチの具体的なアガリ率については、『統計学のマージャン戦術』を参照するとして、流局までツモれることを前提としたアガリ率については、「ツモアガリ確率計算機」等のツールを用いて求めることができます。予めある程度の基準を押さえておいたうえで、実戦では他家の挙動に応じて判断するようにしたいものです。
もし麻雀最強戦の決勝で同様の局面になったとすればどうでしょうか。見逃すとこの局でトップを取れる可能性が5%減りますが、流局して親も連荘、トップ目がノーテンとなれば次局は満貫出上がりでトップ。赤無しでも次局満貫以上の手をアガれる確率は5%以上あるので、これだけなら見逃すのも有力そうではあります。
もっともこの点数状況でを押してきた親はアガれば優勝のテンパイを入れているケースも十分にあります。アガリ率25%は他家のテンパイが入っていない先制フリテンリーチのデータであることを踏まえると、やはりアガった方がよいのではないでしょうか。
Q15
アガリ率は多少の形の違いから微差になることも多いのですが、打点については1翻が大きな差になるので微差ということがあまりありません。アガリ率に大差ないので打点が高い方を選ぶ。シンプルですが極めて重要な考え方です。現代麻雀というとアガリ率重視というイメージを持つ方も多いと思いますが、打牌選択を判断する要素として重要になるのはむしろ打点であることが多いものです。
Q16
似たような例題は昨今の戦術書で何度となく取り上げられてきましたが、テンパイに取るとスルーした場合と比べてアガリ率2倍以上、ピンフがつくと鳴きもスルーも大差無いというのは意外に思われた方も多いのではないでしょうか。類似の問題をより細かくまとめたものとしては、『現代麻雀最新セオリー』およびそのデータ元である、「とりあえず麻雀研究はじめてみました」も御参照下さい。
知るだけで強くなる麻雀の2択
(担当編集より)この本では、麻雀を打っていて迷いがでやすい2択の場面を扱ってます。
なぜこの本を作ろうと考えたか、それを最初に説明させてください。実は私は、雑誌近代麻雀で多くの麻雀プロにコラムを書いていただいているのですが、その中でとても勉強熱心なプロが『ション牌の字牌とワンチャンスだったらどっちが当たりにくいのか、スジと1枚切れの字牌だったら? というデータをきちんと知りたい』と書いていたのです。
いざ本を作り出すと、梶本氏による過去になかった2択やみーにん氏による新しいデータをたくさん入れることができました。ぜひとも麻雀の基本をマスターし、かつそれを応用してデータと違う選択もできるようになっていただければと思います。