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ネマタの戦術本レビュー第955回「『麻雀の失敗学』編 その3 著:朝倉康心」編

ネマタの戦術本レビュー第955回「『麻雀の失敗学』編 その3 著:朝倉康心」編

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

失敗学5 オンライン麻雀では、対局中に相手の打ち筋傾向を見ることができるものもあります。どちらかと言えば牌を積む麻雀より鳴き派が多いイメージがありますが、オンラインの中でもアーケード麻雀はメンゼン派が多いことは、天鳳と、『おしえて!科学する麻雀』のMJ4のデータを比べても明らかでしょう。個人的見解に過ぎませんが、ユーザーの年齢層の違いもありそうです。  

天鳳がリリースされる前は麻雀格闘倶楽部ユーザーのオフ会にも何度か参加しますが、天鳳オフが20代の参加者が多いのに対して、麻雀格闘倶楽部は40代以上の参加者が多かったと記憶しています。

麻雀格闘倶楽部で打ち筋の傾向を表すグラフを四神指数と言いますが、時折アガリ率の指数がかなり低く、アガリ翻数、ドラ使用率の指数がかなり高い打ち手と同卓することがありました。そのような打ち手が序盤から仕掛けてきて、満貫あるのかなと思っていたら本当にドラ3の手牌だったという経験が度々あり、リャンメンを鳴いた相手はドラが固まっていると思えといった格言も、対戦相手の打ち筋次第ではあながち誤りでもないということを実感させられました。

こちらの手がイマイチならば、腰の重い打ち手の仕掛けに警戒するのも容易ですが、今回くらいアガリやすそうな手牌となると安易に通ってない牌を切ってしまいそうです。しかし何を切るべきかはあくまで比較で判断。下家の仕掛けにドラが固まっていて既にテンパイしているとすれば、実はかなり待ち候補を絞ることができます。また、下家への危険牌を切らずとも十分アガリが目指せるかどうかにも着目する必要があります。1シャンテンで多少受け入れを狭めることより、自分で4枚使っているが鳴かれることによるアガリ率低下の影響が大きいとみてをアンカンする手について言及されていますが、個人的には下家の仕掛けのレンジを想定できない場合もアンカンがよいとみます。が全く鳴かれる形ではなかったとしても、カンすることで打点が上がることも踏まえれば案外悪くないのではないでしょうか。

失敗学6 個人的には、も通っていて、ツモでカン待ちが残るよりよいテンパイ形になることから、思考放棄で打としてしまいそうです。の切り順から、がフォロー牌やターツの一部であることを想定しがちですが、場況からそのケースが否定されています。それなら浮き牌(あるいはメンツの一部)として残されたケースは無いのかと考えると、トイトイへの手変わりで残されたと考えた時だけ辻褄が合い、そこまで分かれば残りがシャンポン待ちであるということまで判明します。これまでの戦術本でも類を見ないタイプの読みなので、経験が無ければ気付くのが難しいかもしれません。

朝倉康心の『麻雀の失敗学』

失敗こそ進歩のチャンス!
麻雀プロの戦術本で、自分のドヤ牌譜、アガった名牌譜に焦点を当て語ったものは過去に数多くありますが、自分の「失敗譜」だけに目を向けそれについてひたすら語った戦術本はありません。なぜでしょうか?それは失敗は恥ずかしく、またそれを明かすことは自分が弱いと思われかねないからです。

しかし日本で唯一「天鳳位」を2回獲得、Mリーグ2018でトッププロ相手に178.8ポイントの好成績を残した朝倉康心なら、その心配はありません。著者自身のツイッターも、失敗譜の反省にまみれてます。そんなことから生まれた本書ではMリーグの実戦の失敗から新たな『常勝理論』が語られてます。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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