- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第三章 読みのポイント
CASE26 ”そばテン”はまたぎスジに注意
昭和の麻雀打ちの重鎮として知られる小島武夫氏の著書にすら、「そばテンでも気にせず即リーチすればよい」とあるくらいですから、初心者にそばテンが多いと言われたというのもだいぶ昔の話。また、そばテンの可能性が他の無スジでテンパイしていることより特別高いわけではないことは昨今の麻雀研究で示されています。
しかしそれは別として、「その牌が最後まで残されていた理由」を考えること自体は、守備力を高めるうえで特に重要です。「待ち牌を当てよう」でも、「待ち牌なんて分からないから読んでも仕方ない」でもなく、読めるとしたらどんな時かを把握しようとするスタンスで臨むことをお勧めします。
CASE27 またぎスジ以外のそばテンにも注意!
個人的にはそばテンを「テンパイ打牌がフォロー牌(作れるメンツの種類を増やす牌)」と表現するようにしています。今回のようにまたぎスジ以外が待ちになることもあれば、からを切ってカンのように、フォロー牌ではあるけれど、3つ離れているのでそばテンとはあまり言われないケースもあるからです。
またぎスジの場合は、そばテンが他の無スジと比べて特別危険とは言えませんでしたが、これはリャンメンで当たる他の無スジも十分危険であるため。スジやノーチャンス同士であれば、そばテンかどうかで危険度が大きく変わります。逆に言えば、そばテンでないスジやノーチャンスは、ケース25のような「この待ちはありえない」と読める待ちになっていることが多いので通りやすいと言えます。
CASE28 スライド読みで手牌構成を推測する
フォロー牌でもなければ、くっつき期待でも安牌でもなさそうな数牌が手出しで切られる場合があります。この時はスライドの可能性が高いです。他の項目に比べると内容が高度で、利用頻度も低めなので余裕があれば意識するくらいでいいと思います。
CASE29 赤ドラにまたぎスジ無し
同じ数牌に赤ドラが1枚しかなければ、赤ドラを切ったということは同じ数牌を持っていない可能性が高いということですから、事実上のノーチャンスと言えます。最近は赤ドラ有りのルールで遊ばれることが多いので、特に押さえておきたいセオリーです。
セオリーが逆用されるケースについても、例えば牌姿4であれば、「もしのまたぎであればドラがアンコ」というように逆用されることを読みに入れることもできます。そのうえでクイタンが考えにくく他の役牌があまり残っていないとなれば、いよいよ相手が罠を張った可能性が高いと分かります。振り込んでズルいで終わらせず、相手がどんな意図で打牌を選んだのかまで読み取れるようになりたいですね。
CASE30 相手の動作・挙動から読む
挙動読みについては、必ずこれまでの河読みと合わせて取り入れるようにしましょう。よほど分かりやすい特徴がある人と卓を囲んでいるのでもなければ、挙動ばかり気にすると読めないものまで勝手に読もうとして場況判断が疎かになりがちです。自分が相手に挙動から読まれないようにするために意識しておくことについてはこちらで取り上げました。
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