五限目 講座9
役牌が雀頭だとタンヤオも平和もつかないので、1枚目をスルーしたところで最後の1枚がコーツにならないとあまり打点が上がらないため、鳴いた後でもう1翻つけば逆転条件を満たすのであれば多くの場合1枚目から鳴くべきです。
鳴くと更に2翻必要だとしても今度はメンゼンでテンパイしたところで逆転が厳しいので、スルーするくらいならホンイツ、トイトイ、ドラドラで2翻つけることを考慮した方がよいですし、それすら厳しいとしても着順を維持できる可能性は鳴いた方が高いので、メンゼンで既に良形1シャンテンの場合や、を落としてもタンピンになる面子候補が揃っているといった例外を除き、役牌はほぼ1枚目から鳴くものと考えてよさそうです。
一方タンピンが目指せる手となると、鳴くと更に1翻が必要になるケースはメンゼンでテンパイさえすれば多くの場合逆転条件を満たすのでスルーすることも増えます。着順の変わらないアガリに抵抗がある人は役牌トイツの手でもなるべくメンゼンテンパイを目指す傾向があり、逆にあまり抵抗のない人はタンピン形の手でもすぐに着順を確定させる仕掛けを入れる傾向があるように思われます。
昨今の手作り、鳴き判断に慣れている方にとっては、前者は結果的に平場と同じような選択になりますが、後者は順位を意識して打牌が変わるケースが増えるので、どちらかと言えば後者のケースに注意した方がよいと個人的には思いました。
講座10
逆転条件を満たすだけの手になればそれ以上点数を上乗せするメリットは小さいことから、平場とは判断が異なる例の一つとして大ミンカンが挙げられます。大ミンカンは鳴いてもツモが増えるわけではないので、ほぼ鳴いて進めることになる手牌であっても、平場であればうまくメンゼンでテンパイできた場合の打点と守備力を考慮して、メンゼンから大ミンカンをすることはほとんどありませんが、オーラス鳴くことで逆転条件を満たしやすくなるならもちろんカンします。
満貫以下の点差で符ハネが逆転条件に影響してくる時は特に見落とさないようにしたいところです。
講座11
ウマ10−30のルールで、アガれば3着、アガらなければラスのオーラスとすると、アガった場合は素点に加えて20000点が上乗せされることになります。これならアガリ率:放銃率が仮に1:3だとしても押し有利ですから、悪形残りの1シャンテンで鳴きもきかないような手であっても、アガれば逆転できる手であれば押した方がよいことになります。
もちろんアガったうえで逆転する必要があるので、アガリに遠い上にアガったところでラスの可能性が高いのであれば、放銃するとそれだけ収支が悪くなるので降ります。他家の放銃や連荘でラス回避の可能性が残るならなおさらですね。このあたりは順位戦に慣れている人は注意しましょう。
講座12
ラス確についても収支戦を打つ上で意識しておきたいところです。順位変動がほぼ望めないのですから、結局のところ、ダントツの場合と同様局収支期待値を追求して打つことになります。
客として打つ分にはフリー雀荘でラス確を躊躇することはありませんが、仲間内とのセットで、その面子がラス確アガリを嫌っているのであればやらない方が無難でしょうね。相手もやらないのであれば同条件ですし、そのような相手に実力で上回ることは難しくないでしょうから、嫌われることで打つ機会が減る方が損と考えられるためです。卓外の話も卓上の話と同様、長期的に見たうえでの比較で判断することを心がけましょう。
雀ゴロ本レビューはここまでです。次回からは「進化するデジタル麻雀」をレビューさせていただきます。
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