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ネマタの戦術本レビュー第331回「麻雀 定石「何切る」301選  著:G・ウザク・福地誠 その4」

ネマタの戦術本レビュー第331回「麻雀 定石「何切る」301選 著:G・ウザク・福地誠 その4」

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 Q28〜30

 リャンメントイツの形になっている浮き牌は4連形があると強いとこれまで申してきましたが、Q28は浮き牌部分が28牌で、を引けばタンヤオが崩れ、4連形と受けがかぶっているので打ツモでも3メンチャンが残ります。これなら亜リャンメン形を残した方がよりよい受け入れで勝ります。

 Q29もピンズは亜リャンメン形ですが、浮き牌部分は19牌。を残すことでで良形テンパイになることから、受けがかぶっているとはいえこのは通常の3〜7の浮き牌より上です。便宜上単に「リャンメントイツ形」「亜リャンメン形」「中ぶくれ形」としましたが、くっつき1シャンテンで単にそう呼ぶ場合は浮き牌部分が3〜7牌であることが前提です。浮き牌部分が端にかかると価値が落ちます。名前や形そのものにとらわれず、「よりよい受け入れ優先」を意識しましょう。

 Q30は一転してヘッドレス1シャンテン。基本的に雀頭はメンツより作りやすいので、今回のように雀頭を作りやすいメンツ候補がありリャンメンが揃っている場合は雀頭固定やターツ落としよりメンツ固定がテンパイしやすくアガリ率でも勝ります。(現麻第37回

 「自分のスタイルを確立できている」のであれば、本書の何切る問題のレベルであればさほど時間をかけずに解答できるはずです。「状況による」のであっても、「どんな状況なら何を切るか」を具体的に説明できてこそ「スタイルが確立できている」というものです。実際には自分のスタイルが確立できているのではなく、単にこだわりが捨てられないだけである打ち手が多いものです。

 Q31〜33

 これまでのおさらいも兼ねた問題。暗刻や雀頭が近くにあると受け入れ枚数は減りますが、「よりよい受け入れ優先」で手役を意識していれば自ずと正解が選べたと思います。

 望ましい縁組の意味での「良縁」は自らの努力で作っていくものですが、極楽往生の因縁の意味での「良縁」なら、私の努力とは関係無く誰の元にでも届いています。南無阿弥陀仏。

 Q34〜36

 再び2メンツ形の問題。共通の受け入れ、今回であればを引いた場合の手牌の価値で判断します(現麻第12回)。Q36は巡目に余裕があれば打が有力ですし、実戦では何らかの中張牌の浮き牌を抱えて先にトイツを落としていることの方が多いのではないでしょうか。

 引いてはいけないという決まりがあるわけではありませんが、宗教上の理由でおみくじを引いたことはありません。「日々是好日」という言葉もあります。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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