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ネマタの戦術本レビュー第330回「麻雀 定石「何切る」301選  著:G・ウザク・福地誠 その3」

ネマタの戦術本レビュー第330回「麻雀 定石「何切る」301選 著:G・ウザク・福地誠 その3」

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 Q19〜21

 4連形や中ぶくれ形の比較になるくっつき1シャンテンについては、「勝つための現代麻雀技術論」講座11を御参照下さい。Q19のようにほとんどのケースで亜リャンメン形は、リャンメン以上のメンツ候補を4種作る4連形や中ぶくれ形よりも先に切ることになります。

 3メンチャンと高めイーペーコーなら前者が若干有利ですが、2345は3メンチャンになる受けは1種だけなので、浮き牌の価値は3456の4連形>中ぶくれ形>2345の4連形。雀頭で持っている牌と受け入れが被ると受け入れが2枚狭くなるので、Q20のようにカンチャントイツの形で持っている場合は雀頭を固定した方がアガリやすいです。
 とはいえアガリ率では微差なので、Q21のように打点差があるなら手役がつきやすい方を選びます。

 一つのことを完璧に理解するより、全く知らなかったことを何となくでも理解する方が簡単なうえに実力も向上するものなので、分からないことがあってもひとまず先に進むことをお勧めします。

 Q22〜24

 浮き牌が雀頭にくっついてリャンメントイツの形になっている場合。単純な受け入れ枚数では雀頭固定が多くなりますが、他でトイツが出来ればリャンメン待ちが残るので、他の形が雀頭を作りにくいとしても、基本的に同ランクの浮き牌より価値が低くならないので、「雀頭固定」をすることはむしろ少ないです(現麻第46回)。Q22のように雀頭を作りやすい4連形があれば亜リャンメン形よりも残すことになります。
 Q23のように、他に雀頭が出来ればが使い切れてより高打点になる場合は雀頭を崩す打も候補に挙がりますが、基本はやはり、くっつき1シャンテン>ヘッドレス1シャンテンです。
 リャンメントイツ形は4連形や中ぶくれ形よりは先に切ることが多いですが、3メンチャンの形となるとそこを残すことでリャンメン以上のテンパイになる受け入れが4種を超えるので優先して残すことになります(現麻第46回)。Q24の形なら345三色もあるのでなおさらです。

 天鳳で言えば特上卓で苦戦するくらいのレベルまでなら、それまで出来ていなかったことが何かのきっかけで出来るようになるだけで実力がうんと向上するものです。何が出来ていないかを探るためにも、牌譜解析や、実力者との牌譜検討をされることをお勧めします。

 Q25〜27

 いずれも多メンチャン形を作る暗刻+雀頭+浮き牌の形を含んでいます。Q25はリャンメントイツ形ではないので4連形に劣りますが、Q26、27については4連形より価値が高くなります。多メンチャン形を作る暗刻+浮き牌だけだと、受け入れが狭まるので同ランクの浮き牌より価値が低くなりますが、雀頭+浮き牌(リャンメントイツ形)がある場合は多メンチャンテンパイになる受けが多いので価値が高くなります(現麻第46回)。

 特上卓で苦戦するくらいのレベルまでなら、自分のこだわりは捨てて、結果を出している実力者の牌譜を確認して模倣をしてみるだけでもずっと勝ちやすくなります。難しいのは学ぶことよりもむしろ「こだわりを捨てる」ことですが、初めて遊ぶゲームに触れる気持ちで、麻雀に取り組んでみてはいかがでしょう。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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