「麻雀が強い人」と聞いたら、どのようなプレイヤーのことを思い浮かべるだろうか。愚形でも積極的にリーチしてアガリをものにするタイプ、華のある手役を見事に仕上げるタイプ、「麻雀強者像」は人それぞれだろう。しかし、数十局数百局と打ってトータルポイントを積み重ねられるプレイヤーこそが「麻雀が強い人」という認識は、多くの人に共通の認識ではないだろうか。本記事では麻雀が強い人の特徴を攻守別に紹介した後、強い人を目指すうえでのポイントについても掘り下げていきたい。
麻雀が強い人の特徴【守備編】
それでは、麻雀が強い人の特徴について守備の観点からご紹介しよう。いくら攻撃がうまくても失点が増えてしまっては意味がない。麻雀が強い人は総じて高い守備力をベースとしているという見方もある。
ラス回避率が高い
麻雀が強い人の特徴といえば、まずは「大負けしない」ことだろう。Mリーグではディフェンス力の高さを示す指標として「4着回避率」が個人タイトルの一つとして表彰対象となっている。2021-22シーズンの「ラス回避王」となったのは多井隆晴(ABEMAS)で、回避率は0.9600。20回対局してラスを1回引くか引かないかという数字だ。
『雀魂-じゃんたま-』や『天鳳』といった人気オンラインゲームでも4着となってしまうと段位ポイントが大きく下降してしまうゲームが多い。昇段すればするほどポイント減少が大きくなるため、ラス回避の重要度がどんどん高くなるといえるだろう。
不用意な失点をしない
それでは、ラス回避率を高めるためにはどのようなスキルが必要になるのか。第一に不用意な失点をしないことが挙げられる。麻雀が強い人は押し引きがハッキリしているため「どっちつかずで打っているうちに放銃してしまった」ということがほぼ見られない。不用意な失点を喫してしまった後は、反省や後悔の気持ちが先だって「早く取り返さなければ」との焦りが強くなってしまいがちだ。こんな時こそ落ち着いて、普段通りの押し引きを徹底することが重要となる。普段よりも前のめりになって傷口を広げてしまうことも往々にしてあるため、十分に気を付けておきたい。
オリる判断、手段に秀でている
麻雀が強い人の場合、一度オリると決めたら手順通りにきっちりとオリていくことも特徴だ。リーチ者に対して振り込まないのはもちろん、ダマテン気配が出ているプレイヤーに対するケアもしながら流局まで粘れるのが麻雀強者の持ち味である。数牌の3や7が壁になっている場合、1と2あるいは8と9ではリャンメンやカンチャンが待ちができないことから「壁の向こう側は安全」という考え方など、強い人はオリるための引き出しが豊富にあるものだ。守備において重要になる現物に関してはこちらの記事で詳しく解説しているため、是非参考にしていただきたい。
麻雀が強い人の特徴【攻撃編】
続いては攻撃の観点から麻雀が強い人の特徴について見ていきたい。アガれない局の方が圧倒的に多い麻雀で、チャンスを逃さず的確にアガリをつかんでいくことが強い人の特徴といえるだろう。
牌効率重視でアガリまでに無駄がない
麻雀が強い人の多くは、スピード感あふれる攻撃を仕掛けてくる。その原動力となっているのが、牌効率を重視した「無駄のない打ち筋」だ。牌効率をしっかりと押さえて打っているプレイヤーと対局した場合、メンゼンと鳴き仕掛けを駆使したスピードを感じることだろう。麻雀の攻撃の基本ともいえる牌効率は、麻雀が強い人であれば全員が秀でている点であるといってよいだろう。
状況に合わせた攻撃ができる
麻雀が強いといわれる人は、状況に合わせた攻撃ができるのが持ち味だ。特に大きなアガリを決めたわけでもないけど、終わってみればプラスになっている。こんなプレイヤーは、点数状況に応じたシミュレーションがきっちりできているため、状況に応じてトップ狙いから2着キープに切り替えるといった対応も早い。このような臨機応変な対応が微差での着順上昇につながり、長い目で見れば大きな成績向上につながっていくと言えるだろう。
鳴きを効果的に利用する
麻雀が強い人たちは、鳴きを効果的に利用できるのが特徴だ。カンチャンなどの苦しい部分をフォローして一気にアガリに近づく、いわゆる「急所の鳴き」を仕掛けることができる。また、他のプレイヤーから「なんか高そう」「ドラが入っていそう」などと警戒されることが多いのも特徴だ。鳴きを安く見せず相手を警戒させることで、心理的に優位に立てるのは大きなメリットである。逆に「どうせ安いだろう」と判断されてしまえば、相手からの反撃を許すことになってしまうのだ。
鳴きを有効活用できる役に関してはこちらの記事で詳しく紹介しています。
麻雀が強い人を目指すには?
麻雀が強い人を目指すためには、どんな力を身に付ければよいのだろうか。ここでは、麻雀が強くなるために欠かせないポイントについてご紹介しよう。
きっちりとオリる
麻雀強者を目指すうえで欠かせないのが、正しい手順でオリることだろう。きっちりとオリることで余計な失点を防ぎ、それが安定感アップへとつながっていく。そのためにも「オリる手順」をしっかり押さえておくことが重要だ。リーチ者がいる場合、まずは現物をしっかりと切っていこう。また、上家が切った牌を合わせ打つことができれば他のプレイヤーに放銃する可能性も排除できるため、さらに安心だ。スジの牌などは比較的安全な選択肢ではあるが、放銃の可能性は0%ではないため、頼りすぎると安定感の低下につながってしまう。
受け入れ枚数をなるべく増やす
攻撃面で重要なのはなんといっても牌効率。つまり、受け入れ可能な枚数がなるべく増える手組みを進めていくことだ。例えば「⑤⑤⑥」のブロックがメンツになるための条件を考えてみよう。「⑤」を引けば「⑤⑤⑤」の暗刻になり、「④」を引けば「④⑤⑥」、「⑦」なら「⑤⑥⑦」の順子ができる。「⑤」は手牌で使っているものを除いて2枚、「④⑦」はそれぞれ4枚あるので受け入れ可能なのは「3種10枚」ということになる。そして、各ブロックの受け入れ枚数の合計が多ければ多いほど、早くテンパイできるというわけだ。合計何枚かをいちいち数える必要はないが、受け入れが多い形を把握しておくことが牌効率の向上につながるはずだ。
状況判断をしっかり行う
4人の点数が目まぐるしく変わる麻雀では、場面に応じて的確な状況判断をすることが重要だ。ルールによって左右されるが、2着目から100点差の3着に落ちたことで、順位点が2万点分も変わってしまうこともある。状況判断力を鍛えて柔軟な立ち回りを身に付けることができれば、大きなアガリがなくとも順位を上げられる機会も増える。「着順を上げるためには何点必要で、逆に何点までは振り込んでもいいのか」ということに加えて、リーチ棒が出た場合や流局時のテンパイ料で順位は変動するのかもしっかりシミュレーションしておきたい。
攻守のバランスをとって麻雀強者を目指そう
今回は麻雀が強い人の特徴について解説してきた。麻雀はどんなにうまい人でも毎回勝利できるゲームではなく、平均着順を上げることが重要である。野球やサッカーは0点では勝てないが、麻雀は得点が増えなくても2着になることは可能だ。そして、2着が続けばトータルポイントで1位になることもできる。とはいえ、始めから守りばかりを意識する必要はなく、攻守のバランスが何よりも大切になるだろう。大きなマイナスを避けながらも、訪れたチャンスは逃さないプレースタイルで、麻雀強者を目指してみてはいかがだろうか。