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点牌教室ボランティア 松下満百美 「やってあげているという意識は無いほうがいい」【マージャンで生きる人たち 第23回】

点牌教室ボランティア 松下満百美 「やってあげているという意識は無いほうがいい」【マージャンで生きる人たち 第23回】

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「点牌」とは、視覚障害者向け点字シールを貼った麻雀牌のこと。1994年以降、点牌を使った麻雀教室が現在も都内で毎月開催されている。そこで、点牌教室をボランティアスタッフとしてサポートされている松下満百美さんに、教室の内容とボランティア精神について話を聞かせて頂いた。

松下満百美(まつした・まゆみ)プロフィール

1946年、静岡県生まれ。O型。高校卒業後、鈴木自動車工業株式会社(現・スズキ株式会社)に勤務。27歳の時に兄と一緒に貿易会社を立ち上げる。現在はボランティアスタッフとして、点牌教室の他、東京都品川区主催の麻雀教室をサポートする日々。好きな役はホンイツ。

麻雀を始めたきっかけは?

「始めたのは62歳の時です。ゴルフ仲間から麻雀はおもしろいわよと聞いていたことがあり、やってみたいなとは思っていたんです。いざやってみると、セブンブリッジによく似ていたので、すんなり入ることが出来ました」

「そして麻雀の勉強を本格的に始めようと図書館に行った時、たまたま見つけたのが、田嶋智裕さんの著書『長寿社会と生きる 健康麻将(マージャン)』でした。田嶋さんが関わられてこられた様々なことを知り、経営されている『居酒屋マージャン ガラパゴス渋谷店』に絶対行ってみようと思いました。麻雀の技術的なことは、本を購入して2~3ヶ月で覚え、品川区に紹介してもらった麻雀教室にも通うようになりました」

点牌教室の存在を知ったのは?

「その後、ガラパゴス渋谷店にも通うようになったんですが、健康麻将部門でトップを取れたことがあったんです。それで健康麻将の全国大会があるから出てみないかとお声かけを頂いて出場しました。その大会会場で初めて、視覚障害の方と対局する機会があったんです。パーテーションで手牌が見えないように仕切って対局されていて、使用した牌には透明の点字シールが貼ってありました。その時に点牌教室という視覚障害者向けの教室があると聞き、正直びっくりしたのと同時に感動しまして。ぜひ見学させて頂きたいとお願いしたんです。それが2012年のことでした」

「2016年9月に田嶋さんはご逝去されたんですが、亡くなられる2カ月前、ご自宅で喀血されたにも関わらず、点牌教室に来られて皆さんと一緒に卓を囲まれていました」

1825年、視覚障害者だったフランスのルイ・ブライユによって考案された点字は、世界中で使用されている

 

どんな方が通われているのでしょうか?

「参加人数は24人前後で5卓分は経験者、1卓分は初心者や点字に不慣れな方の卓といった感じでやっています。参加者の半数以上は元々初心者だったんですが、田嶋さんと一緒に学んで覚えられた方です。会場は東京都品川区にある日本健康麻将協会の会場をお借りしています。遠くは神奈川県湯河原から2時間かけて、おひとりで来られる方や、ヘルパーさんと一緒に来られる方、ボランティアスタッフと駅で待ち合わせして一緒に来られる方と様々です」

「最近ではサラリーマン時代に麻雀を楽しまれていた方もいらっしゃいます。その方は定年されてからある日、突然こめかみが痛くなり、MRIで検査しても異常無しと診断。セカンドオピニオンに行っても異常なしと診断されたのに、3日目に失明されたんです。視神経が炎症したことが要因だったそうなんですが、若い頃から麻雀が大好きでやめられないと奥様と一緒に点牌教室にお見えになり、その後1カ月かけてご自宅で息子さんと一緒に練習され、点牌で麻雀が打てるようになりました。この方のように、途中から見えなくなってしまった方もいらっしゃいます」

点牌教室の特長は?

「午前10時半に集合した後、毎回自己紹介から始めています。どなたが来られているのか、声を聞くことによってわかるわけです。経験者の方は半荘60分を4回やります。1回目は来られている順に座って対局をした後、昼食を挟んで午後からは席替えをして対局していきます。成績記入は私たちボランティアが記録していきます。初心者や点字に不慣れな方は午後から来られて卓を囲みます」

麻雀牌に張られた透明の点字シール。点字は縦3点、横2点の6点の組み合わせで構成されている

 

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