ネマタの天鳳名人戦牌譜検討第198回

ネマタの天鳳名人戦牌譜検討とは

『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第七節四回戦A卓

▼対局者
Ⓟ小林剛
Bさん：就活生＠川村軍団
Ⓟ多井隆晴
Dさん：トトリ先生19歳

　前回リードを広げて2本場。安手でも局消化できない親なので可能ならばダメ押しの追加点が欲しいところ。浮き牌部分のはいずれもチャンタ、一通、ピンズホンイツと手役絡みの牌。これなら役に絡まないフォロー牌を切ってペンチャンを残します。

　どちらも高め条件なので、一通よりは高打点になるチャンタ三色を残してを引っ張ります。

　チャンタ三色なら123の可能性もありはドラ。しかしメンゼンでチャンタになるようなら更に追加点を狙うメリットは薄く、4枚見えでは山に残っていそう。西家北家にとっては安牌ということもありこれでもを残します。

　確かに西家北家はもも持っていませんでしたが、実は南家がを固めていて、を抱えてを切った時点ではそれぞれ山に1枚ずつ、はそれぞれ3枚も残っていました。しかしながら何と残り1枚のを両方引いてダメ押しの満貫ツモ。麻雀牌に意志があるはずもありませんが、プレイヤー視点での正しい選択に、「山牌が応えてくれた」ような気がしてしまう印象深い和了でした。

　オーラスは東家のリーチに現物を切って結果的に南家に差し込みの形になりトップを守り切りました。東家はダマであがっても続行なので加点のためにリーチも致し方無しとみますが、対局後に東家のASAPIN氏本人が振り返られていたように、南家がこちらの現物待ちでテンパイしていて、リーチすると西家に差し込まれる可能性も結構ありそうではあります。「南家がこちらの現物待ちテンパイ」が確信レベルで読めるなら確かにここはやむを得ずダマにする一手。こういったケースのリーチ判断をどうすべきかも、今後の研究課題になりそうです。