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ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討  第5回

ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討 第5回

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ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第一節二回戦B卓

▼対局者
Ⓢ福地誠
Ⓟ中嶋隼也
松ヶ瀬隆弥
タケオしゃん

牌譜はこちら

東1局

東家福地氏は配牌でいきなりチートイツ1シャンテン。何を残せばよいか明確な基準が分からない故に常に選択を迫られるのがチートイツですが第一打は。最序盤はどの牌もツモりやすさに差がないので、チートイツ狙いが目立たない牌を切っておくことで待ちが絞られにくくなります。ツモ次第でどうしてもメンツ手狙いとしては不自然な河になりますが、それでもいきなり中張牌から切り出さないことで他家に与える印象が結構変わるものとみます。

1シャンテンからなかなかテンパイしないこともしばしばある一方、配牌時点では全く予想外のところからテンパイすることも多いのがチートイツ。福地氏が全く手が進まない一方で、松ヶ瀬プロは配牌ではトイツが1つしかなかったにもかかわらず8巡目にチートイツドラドラテンパイ。10巡目に残り1枚の単騎でリーチに切り替え。河もチートイツには全く見えず、掴めば誰からでも出る牌でありましたが結果はタケオしゃんに1300点放銃となります。

東2局

10巡目 2件リーチに松ヶ瀬プロのみ手テンパイ。が生牌なら止めた方が無難とみましたが、1枚切れなら押してそうでした。のみ手とはいえリーチ棒2本あるので実質3000点の手であるというのもあります。

東3局

8巡目 タケオしゃんはトイトイよりホンイツ優先の打。テンパイする受け入れならツモでもテンパイするトイトイ残しですが、打からツモでもテンパイを逃す代わりに満貫のくっつき1シャンテン。ホンイツ側には打点を維持しつつ手広くなる変化があるので、この手の選択はホンイツを優先することが多いです。

このを福地氏がチーして打。片アガリの形が2つも残りますが、カンチャンをメンツにしつつ鳴いても赤3で満貫となれば致し方無しというところでしょうか。三色が崩れるツモでもそこからチーでクイタンをつけることができます。

9巡目 福地氏役がつかないをツモ。が4枚見えたので567三色に手変わりしません。このまま流局することは稀なのでここはテンパイを崩す打がよかったように思います。そうすればで鳴くことができました。

南1局

福地氏5巡目にして三暗刻ドラ1、符ハネでダマ出アガリ11600のテンパイ。ツモからの役満で期待されますが、いずれも脇に流れてしまいます。が出たところでポンして出アガリ18000のドラ単騎に受け、ツモ次第で他家の読みの死角に入る単騎待ちの12000に変える選択肢もありました。個人的には1枚目のは万一のラス牌ツモまでみてスルー。2枚目でポンという手も考えましたが、もしそうした場合に他家が仕掛けにどう対応したのかが気になるところ。がツモ切られているのにポンとなればコーツ手に他ならず、しかもこの巡目で1枚目はスルーとなれば、はポンテンでなくテンパイからの待ち替えが妥当。切られた牌がならカンから単騎と、実はほぼ一点で読める仕掛けになります。

17巡目 が当たるのは、「中嶋プロが最終手出しでたまたま2枚切れ単騎の役有りテンパイを入れた時」ですが、を切っている中嶋プロが何故この巡目までを持っていたのか、しかも何故このタイミングで他家に通っていない生牌のが出てくるのか。松ヶ瀬プロの立場で止める自信はとてもありませんが、をここまで持っていたのはチートイツ狙い。を切るのはテンパイしたから。より待ち頃の牌はくらい…と考えると、最後にをツモったうえで、を通してようやくテンパイ料が得られるだけとなれば、を止めてしかるべきだったという結論に至りそうです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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