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ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討  第10回

ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討 第10回

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ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第一節四回戦A卓

▼対局者
小林剛
独歩
木原浩一
タケオしゃん

牌譜はこちら

東3局

4巡目 東家木原プロの手牌。中ドラ1では2900止まりですがホンイツがつけば満貫。ここまで打点差があるならツモのテンパイ逃しを気にせず打。比較的安牌になりやすいとはいえ染め手には不要なを残してまでから切るのは木原プロらしいスタイルです。

5巡目 南家タケオしゃん、東が枯れていなければ役役チャンタの高打点受けをみて6ブロックに受ける打で迷わないところですがここでも打を選択。東家のマンズ染めへの先切りの意図もありそうです。西家小林プロもマンズ染めに対応して受けより受けを残す打とします。

7巡目 西家チートイツとメンツ手の両天秤1シャンテン。東家のマンズ染めに対応して、場に安いピンズを残せたのが活きる形になりました。

11巡目 北家独歩氏、8巡目から純チャンイーペーコーのダマ満貫をテンパイしていましたが、東家に通っていないをツモったところでリーチに切り替え。この牌を押すようならダマでもテンパイが読まれやすいという意図もありそうですが、東家はマンズも字牌もまだ切れていないのでテンパイ率はさほど高くなさそうです。現状は残り2枚とはいえダマなら誰からも出やすい牌で、逆にリーチをすれば勝負手をテンパイしている他家以外には止められやすい牌。リーチしたためにアガリ逃しからの振り込みは結果論かもしれませんが、どちらかといえばダマ続行を選びそうでした。

南2局

南2局19巡目 南家木原プロ9巡目の時点でツモり四暗刻1シャンテン。しかも場に見えていないが全て山生きと、第一節からいきなり役満が出るかと思われましたが、ここから手が進まず残りツモ1回の局面。東家のを鳴いて形テンに取ります。

今回はテンパイしているならホンイツ中ドラ3で18000以上の親にハイテイでツモ番を回すことになるのが気がかりなところですが、ここで親が一人テンパイなら4000点差を縮められることになります。親と7800点差の3着目にとってこの差は大きく、一方ハイテイを回したところでツモられる確率は親がリャンメンテンパイだとしても6%程度。親が18000確定だとしても結論を覆すにまでは至らないとみますが、このあたりの損得勘定が出来ていないと選びにくい仕掛けかもしれません。

南2局1本場

11巡目 ラス親でラス目の独歩氏。連荘があるとはいえ、連荘しても次局アガれる可能性は精々1/4なので、親であっても可能な限り高打点受けは残したいところ。そう考えれば平和の完全1シャンテンからをツモったところで手広く打とせず、ホンイツ狙いに移行するのは自然なところ。もしツモなら、ダマでもツモって6000オールで一気にトップに近づけます。

しかし南家木原プロの仕掛けが気になるところ。手順からタンヤオではなく、役牌も全て見えています。仕掛ける前にを切っていることも踏まえると、このはチーテンでしょう。使いやすい赤ドラが2シャンテンから切られることは考えにくいためです。考えられる手役は鳴き一通。一通が完成して別の待ちのケースなら、より安牌になりやすいを残しそうなものですから、カンかペン待ちのどちらかということになります。

あわよくばの大物手を狙いたい局面ではありましたが、南家の手牌構成をここまで絞れる以上、打が無難だったように思われました。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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