- 『ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第五節三回戦B卓
▼対局者
独歩
お知らせ
Ⓟ醍醐大
Ⓟ中嶋隼也
東2局0本場
雀頭のくっつき1シャンテン。ツモ
で良形テンパイに取れるように打
。
最高のツモから
で出アガリして11600。南家は
をツモったところで現物
を切ればくっつき1シャンテンに取れましたが、
をツモる前のタンヤオドラ3の2メンツ1シャンテンの形にとらわれたが故のミスというところでしょうか。
東2局1本場
残り2枚の待ちでテンパイに取るよりはテンパイ外し。雀頭を崩す打
もありますが、ターツを外してくっつき1シャンテンに受ける打
でもツモ
でテンパイ。打
ツモ
より打
ツモ
がよいので個人的には打
としそうです。
ただしツモで平和に取れるのが打
の利点。親のダブ
含みのホンイツ仕掛けをダマで交わせることを高く評価したのも打
の理由でしょうか。
東3局
ドラなのでリャンカンをカン
に受けて3枚見え
を残しますが、再度
をツモったところで
が2枚見えになったのもあり打
。
東家はをチーして打
。素直に読めば
を
より残しているのはフォロー牌だったためで。チーテンの手出し牌である以上
周辺の待ちが残っているとなると、カン
か、
と何かのシャンポン。シャンポンに振る分には2900止まりで、こちらは高め純チャン三色の1シャンテン。東家がカン
待ちなら、ツモ
でカン
になるのでこの時点で
を切る手が考えられます。
とはいえ、がフォロー牌だとすると、何故1枚目の
はツモ切りだったのかが気になるところ。手牌を開けてみれば前述の理由だったと分かりますが、実戦ではそれこそ読みをミスリードするためにあえて
を引っ張ったケースも考えられます。ダブ
仕掛けに真っ直ぐ押してくる相手が少ないから、先手を取られた時に安牌を抱えておく必要性が薄いと判断したならなおさらです。
そうなると、理屈では分かってもドラそばのは切りづらく、こちらが狭い1シャンテンなら降りておくのが無難なのかもしれません。
ドラアンコの雀頭無し1シャンテンになったところで
を押しますが、これも先述の理由でもっと早い段階で押す手はなかったか気になるところ。1巡前の
を残していればここでテンパイでした。
結果的にはを止めていたが故にアガれる手順を辿れましたが、東家が
をツモって
待ちになったので、テンパイする前に
が当たり牌になった可能性もありました。どこまで河読みを信用するのか、相手が裏をかいた可能性も考慮するのか。このあたりは大変難しい問題ですね。