- 『ネマタの第九期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第九期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第六節四回戦C卓
▼対局者
Ⓟ渋川難波
Ⓟ木原浩一
独歩
おかもと
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東1局
この時点で足切り線上にいる渋川プロと独歩氏のポイント差は98.1pt。50−20−0−▲70の順位点がつくので、渋川プロは独歩氏がラスなら2着でもほぼ逆転。しかし足切り回避のためには別卓の誰か1人をポイントで上回る必要があるので、いずれにせよ大トップが必須となります。
1メンツも無い6ブロックの手。重なりから高打点が狙えるを残してターツ落とし。678三色もあるので打。
通常であれば親とはいえ、狭いチートイツ1シャンテンではドラがあってもリーチに無スジは押しづらいところ。しかし今回は対門の独歩氏から直撃を取れるメリットが非常に大きいのでチャンスとみて踏み込みます。結果的にで放銃となりましたが2000点止まり。まだまだ分かりません。
東3局1本場
1メンツも無い遅い手ですが、高い手をツモって東家独歩氏の点数を削りたいところ。ソーズホンイツをみて打。2枚切れも将来の安牌要員と万一の国士無双狙いで残します。
ホンイツ本線ですがドラやツモで染めない手順も残るので打。
東家からリーチが入りましたがまさに勝負どころ。決死の4フーロでテンパイまでこぎ着けました。こうなれば東家に放銃する可能性が低い単騎に受けた方がアガれる可能性も高くなるので、両スジのを切って単騎。
流局間際なのでホンイツは崩れますが、カンはあり得るのでノーチャンスの切り。流局かと思われましたが、が4枚見えてカン待ちも無いことが分かっている北家から出アガリ。点数こそ安いですが、ここで足切り争い相手の親を流せたのは大きいです。
南1局0本場
平場であればダマ4翻かつ、脇がを切っていてダマなら止まりにくい待ちにつきダマにするところ。今回も対門からの直撃でトップラスの並びが出来ることを期待してダマを選択。しかし結果的にはをツモったのでリーチしていれば6000オール。いずれにせよ大トップが必要で、一度余裕のあるトップ目になればその後の着順操作もしやすいとなればリーチとどちらがよかったのか難しいところです。
南2局
親は流れてしまいましたが、前局下家が対門から満貫をアガったので順位の並びはできました。後は素点を稼げばというところでチンイツに渡れる手が入りました。ここからをツモってツモとなればダマでも三倍満です。
しかし結果的には対門が上家から一発裏の跳満をアガって並びが崩れてしまいました。もし対門とトップラス条件だけで足切り回避濃厚であれば、テンパイを外していないので東家ので出アガリしているところでした。
一発ツモで倍満。大トップに立ちましたが順位の並びまでは変わらず。完全に結果論ですが、南1局でリーチ、南2局でテンパイ取りならB卓の中嶋プロのポイントも上回って足切り回避できていました。