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ネマタの天鳳日記 第38回

ネマタの天鳳日記 第38回

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 対リーチにツモれば三暗刻の手。出アガリした時はのみ手なので、平均打点ではリーチドラ1と同程度でしょうか。はノーチャンスで、テンパイ以前にを切っているので悪形待ちにも当たりにくいところなのでテンパイには取りますが、問題はリーチするかどうか。安牌を切ってテンパイする場合に追いかけるかどうかは、次に無スジを引いて降りるかどうかが一つの目安になります。 

 特定の危険な牌を引いたときだけ当たり牌を止めるためにダマという考え方もありますが、「その牌が特に危険」という読み自体が正しくても、その牌をツモる確率よりは自分のアガリ牌が他家から出るかツモる確率の方が高いのですから、リーチすることで打点が上がる、あるいは出アガリできるようになるメリットが十分にある局面ならリーチでよいとみます。「起こらなかった時に損するようなレアケースまではケアしない」という考えです。

 ただし今回はが1枚ずつ切れていて残り2枚。「現麻本」の基準で悪形テンパイでも案外押せることに違和感があった方もいると思いますが、実戦では悪形の中でもかなり待ちが苦しいテンパイになることも少なくありません。 しかし今回は残りの2枚は誰も使ってなさそうなので山には残ってそうです。通常の中盤カンチャンリーチでも、リーチした時点で山に残っているアガリ牌は2枚程度であることが多いものです。アガリ牌が2枚以下だと追いかけリーチは打たないことが多いですし、アガリ牌が何枚残っているかは特に確認しておく必要はありますが、見た目枚数そのものにはあまりこだわることはありません。

 ここまでならリーチ…といいたいところですが、2フーロしてリーチにを押している南家も高確率でテンパイ、手役はホンイツで少なくとも3翻以上はあります。「テンパイからなら案外押せる」のは他にテンパイしている相手が1人であることが前提の話。2件リーチならテンパイからでも、特に悪形の場合は降りる範囲が結構増えます。少なくとも今回程度の手なら、次に通っていない牌は止める方がよいとみてダマが無難でしょうか。

 押し引き判断1問だけで結構な長文になってしまいました。勉強会では上記の順番で考察していきましたが、実戦では限られた時間内で判断する必要があります。そうすると、今回の考察の手順はあまり効率がよいものとは言えませんね。「安牌を切ってテンパイなら大抵追いかけ有利」だからこそ、判断が覆る例外を優先して探した方が正しい判断のために必要なので、「降り有利」に傾きやすい、南家も危険牌を勝負していてテンパイ濃厚、打点もホンイツならまずまず高いという情報を先に処理すべきでした。

 実戦ではどうしても、「自分の選びたい打牌が有利である要素」を探したくなりますが、正着を打つうえでは、「自分の選ばないであろう打牌が有利である要素」を先に確認する癖をつけておきたいものです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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