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ネマタの第十期天鳳名人戦牌譜検討  第10回

ネマタの第十期天鳳名人戦牌譜検討 第10回

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ネマタの第十期天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの第十期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第十期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第一節二回戦3卓

▼対局者
独歩
醍醐大
Ⓢ福地誠
タケオしゃん

牌譜はこちら

東1局

を切っていますが、ツモでも序盤につきリーチのみペンよりはタンヤオくっつき1シャンテンがよいとみて打に分があるとみます。低確率ながらツモからの678三色変化もあります。

ドラが生きていれば打に分があるとみますが、が無いとなると残しツモより聴牌にとってツモおよびツモ和了の価値が高いとみて聴牌取りダマ。

東家のリーチ宣言牌を南家が鳴いたところでツモ。現物待ちの満貫直撃狙いで打ダマを選択しますが和了牌は残り3枚。三色と平和を崩してもリーチツモで満貫クラスの手になったので、東家の現物切りでリーチを打つ手もあります。

現物待ちがどの程度効果があるかは局面に大きく依存します。最も有効なのはリーチ者以外の手に和了牌が浮いていて共通安牌が少ないケース。これならが通りさえすれば和了はもらったようなものです。

しかし今回は南家はクイタン。北家は前巡に切り。は真っ先に不要になる牌と考えられるので、手牌でが浮いているケースは考えにくい。和了牌は山にあるかリーチ者が使っているかのどちらか。を勝負すれば聴牌を警戒されやすく、和了のためには当然ながらが東家に通っている必要があるのですから、どちらかと言えば打リーチに分があるように思われます。

東2局

が通っていて4枚見え3枚見え。単騎なら待ちにするのでポン打へのくっつきで聴牌に取れるようにした方がよさそうです。

ここも4枚見えにつきチートイツ1シャンテンに取っておくに越したことはないでしょう。

東3局

ドラがポン出来た場合は打の方が受け入れで勝りますが、浮き牌くっつきでチャンタドラドラ1シャンテンならドラポンに頼らずとも聴牌できそうです。4枚見えにつきツモよりツモに期待して打

ツモの一通変化もみて受けかぶりのカンチャンをペンチャンより残すのは和了に遠い段階の手筋。1シャンテンならツモで聴牌する打でしょう。

東4局

チートイツ1シャンテンに受けつつ、引きのメンツ手とピンズチンイツ移行をみて打

鳴けばで跳満の1シャンテンと考えれば、和了牌が残り1枚になるとはいえポンした方がよさそうです。

がポンされてないので前巡のが当たるとすればポンされる前の手牌が。この形ならトイツを落とさなければトイトイを聴牌している形。ポンでメンツをかなり構成しづらいトイツより残すとは考えにくいので通りそうです。

南家がポンからポンまでにツモった牌は1枚のみ。その1枚がであり、のようなチンイツトイトイ聴牌(が鳴かれていないのであるとすればこの形のみ)と仮定すると、をポンする前は。チートイツ聴牌を崩して鳴いていることになるので不自然。ツモった牌がだとして、鳴く前がだとすると、をポンしてから打。チンイツなら満貫、トイトイなら2600止まりとはいえ、1枚しかない以上トイトイ1シャンテンに取りそうなもの。全く無いとは言えませんが、このパターンは実は考えづらいことが分かります。

それなら南家の手牌。仕掛けの手順からして4枚ともピンズなのはほぼ確定として、どのような手牌構成になっているのかと考えると、今回ののような「実戦的には想定しづらいかなり待ちの悪い形」が、実は最も妥当であると気付きます。それならラス目の清一色仕掛けとはいえこちらがリャンメン聴牌なら捲り合いは望むところ。結果的にはダマでを討ち取り5200和了(リーチなら降りられた公算が高い)となりましたが、これならリーチしてしまった方が良さそうですね。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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