- 『ネマタの第十期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第十期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第二節二回戦3卓
東1局
ホンイツの十分なメンツ候補が揃っていましたが、いずれにせよドラを切っているのでホンイツは読まれやすいので
残し。
をポンしてトイトイまでついて高め倍満の1シャンテンになりました。
をポンして
落とし。役牌手をトイトイにするだけならドラ
や
リャンメン落としが不自然。ホンイツトイトイのメンツ候補が揃っていると読まれて然るべきでしょう。
が
に代わる安牌や受け入れを増やす牌を引いて打ち出されたものでなければ聴牌。安牌として最も優秀な
はツモ切りされたので前者の可能性は低く、受け入れを増やす牌も限られているとなると聴牌率は結構高そう。待ち候補は
のシャンポン。結果的には
を通したことでアガることができましたが、振れば18000と言われかねないとなればノーテンから押すのは厳しい牌と言えそうです。
東2局
が枯れているのでチートイツ2シャンテンを維持した方がよいとみます。チートイツのことも踏まえると前巡のドラもまだ残した方がよさそうです。
が重なる前に聴牌することの方がずっと多く、
は西家以外に現物なので
先切りがよく見えます。
切り順が逆ならアガれていたところを振り込み。安牌の残し方の重要性を知らされます。
南1局
東家はチー打
。クイタン仕掛けの東家が他の中張牌よりも
を残した理由を読めば、
は搭子の一部で、
のカン
聴牌からの食い伸ばしくらいしかなさそうです。東家の仕掛けは高々5800で
はつかめば出ることも踏まえればリーチドラ1シャンポンとはいえ打
リーチが有力そうです。もし選べていればツモって裏1の2000-4000。ギャラリーを湧かせるアガリになっていたのではないでしょうか。
南1局1本場
先にを引かない限りは
が出ていく形で、引いたところでタンヤオがつく程度。これも対門の仕掛けを受けて先切りに分がありそうです。
切り遅れになり3900放銃。奇しくも先程の加点をそのまま返すことになりました。
南2局
仕掛けを入れて聴牌してそうな西家の現物待ち。他家の合わせ打ちに期待したと考えられますが、ダマで安手のリャンメン待ちならシンプルにリーチします。
は
4枚見えでノーチャンスですが、クイタン仕掛けの西家は聴牌打牌が
。
より
が残されて
が4枚見えとなれば
は雀頭。シャンポン待ちなら当たり牌で、トイトイがつけば満貫。
は見た目リーチにも危険ですが、
がポンされてワンチャンスになった
待ちで、即リーチせずに何巡も経ってからツモ切りリーチすることが果たしてあるだろうかと考えると
切りを選んでしまいそうです。
南4局
満貫ツモでトップのオーラスでいきなり配牌1シャンテン。平和ではリーチしてツモ裏1でも満貫に届きません。アガリ損ねて着順落ちのリスクもあるとはいえ、配牌ならリーチツモ一通かダブ狙いで打
としそうです。
平和リーチでも一発ツモか直撃で裏1やツモか直撃で裏2でトップを取れる場合があります。2巡目リャンメンリーチが80%程度アガれるとなると、4%くらいはトップの可能性があります。自動的にダマにしがちですが、実はまだリーチに分がありそうです。ここでリーチを打つくらいならそもそも1巡目にを切りそうなものですが、あくまで現状の局面に応じた最善手を選べるようになりたいものです。