第四章 リーチ
(3)終盤のテンパイとなると、リーチ棒出費や他家の攻撃に降りられなくなることへの不安からダマにしてしまう打ち手も多いですが、本の記述通り、リーチによる打点上昇のメリットが大きい手であればリーチします。
一発や裏ドラ、ハイテイによる打点上昇もありますが、あがれない場合もテンパイ料があるので、リーチすることで他家に降りられてアガリを逃したとしても、元々ダマだと安い打点上昇のメリットが大きい手であればそれほど損にならないわけです。
他家の攻撃に降りられなくなるというデメリットについても、テンパイ料の存在がデメリットを軽減しています。リーチに通ってない牌を1枚通せば流局テンパイが確定するのであれば、局収支上は多くのケースでテンパイに取るのが有利になるので、仮に追っかけリーチが入ったとしてもそれほど不利な勝負にはならないというわけです。
ただし、既に高打点テンパイの可能性が高い他家がいて、通ってない牌を引いた場合は降りるべきである場合、あるいは点数状況的に、危険牌を切ってまでテンパイ料を取りにいかない場合についてはリーチを控えます。特に危険牌を引いても、安全牌との振替や回し打ちによってテンパイの可能性が十分に残る場合はなおさらです。多少悪い条件があっても、打点上昇のメリットが大きい手はリーチ。ただし場をよく確認することは怠らないようにしましょう。
(4)フリテンテンパイについてもダマにされがちですが、先制テンパイであれば、リャンメン待ちならフリテンでない悪形テンパイとアガリ率は同程度がやや落ちる程度、それなら、あがれた時は必ずメンゼンツモの1翻がつくので、出アガリがきく悪形テンパイに比べて少なくとも劣るというほどではなく、悪形テンパイでも先制ならリーチするのだから、先制でリャンメン待ち以上ならフリテンでもリーチが有効ということになります。(当然ですが、ダマにしても出アガリがきかないので、ダマでも高打点でもフリテンの場合はなおのことリーチした方がよいことになります。)
文中の牌姿については、フリテンに受ければ平和もつくので打リーチより打リーチの方がよいと判断します。ただしが自分で切っている牌以外にも多く見えてあまり残っていないようであれば打リーチとします。(3)でも同様のことを申しましたが、多少悪い条件があっても基本はリーチ、ただし場をよく確認することは怠らないようにしましょう。
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ツキ、流れ、勢いといったあいまいな表現を嫌ってきた著者の明晰な頭脳で、麻雀を論理的に限界まで語りつくされてます。