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ネマタの戦術本レビュー第260回「迷わず強くなる麻雀 著:鈴木たろう 編集: 鈴木聡一郎 その7」

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レッスン9

 p41の牌姿については、チートイツドラ2の1シャンテンとみれば無スジを押すのは若干厳しいですが、が出るようなら鳴いて押しやすい手牌になるので、7巡目で中以外の現物が無いという局面ならくらいはまだ押してそうです。ただ、本書の意図するところも分からなくはありませんが、やはり、「オリるな」というのはアドバイスとしてもお勧めできないと私は考えます。

 後のレッスンの中で、今回の手牌以外でも安易に守りを考えずに攻め切った方がいいケースがいくつか紹介されています。しかし実戦では、ノーテンだけど安易に降りない方がよい手より、全く勝負に見合わない手になっていることの方がずっと多いものです。後者からでも押してしまう人は、そもそも降りるという概念ができていない可能性があります。

 その状態で降りを考慮せずに打っていても、バランス感覚が身につくはずもありません。オリは難易度が非常に高い技術とありますが、「現物を切る」というのもオリの技術の一つです。突き詰めれば難易度が高いのはどんな技術でも同じことですから、難しいからといって、その中の基礎的な技術すら身につける機会を失ったまま試合数をこなすことが上達のために役に立つとは思えません。

 全く勝負に見合わないところから降りることは出来ているが、すぐに降りてしまう癖がついてチャンス手でも踏み込めないという打ち手にとっては、「オリるな」というアドバイスが的確かもしれません。しかしながら、その打ち手は既に、「麻雀初級者」ではないでしょう。そしてその段階であれば、「オリるな」だけで済ませずに、もっと具体的に、「どのようなケースなら踏み込むべきか」について考察を重ねたうえで実戦経験を積んでいくべきです。

 ネット麻雀なら牌譜が取れるので、わざわざ「降りないで打つ」と決めなくても、どんな時に放銃するかを検証することが可能です。「こうすべき」という安易な決めつけが成長を止めるという話には同意しますが、問題はベタ降りすることではなく、自分の選択について検証しないままにしていることにあります。

 降りるべきと思ったらやはり降りるべきです。しかしいつもと同じように打つではそこから実力が向上することもありませんから、その判断が本当に正しいのか、他の選択肢がなかったかについて、時間がある時にでも検討するようにしたいですね。
 

本記事に関するご紹介

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鈴木たろう (著)
鈴木聡一郎 (編集)

発売日:2017年3月29日
定価:本体1,404円
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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