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ネマタの戦術本レビュー第319回「現代麻雀30の新常識  著:土井泰昭・平澤元気 その7」

ネマタの戦術本レビュー第319回「現代麻雀30の新常識 著:土井泰昭・平澤元気 その7」

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命題13

 受け入れ枚数が減ることによるアガリ率の低下が最も大きいのはテンパイしている時です。アガリに遠い段階なら多少受け入れが狭くてもシャンテン数はすぐ下がりますし、最速で進めてもそもそもアガれないことが多いので、受け入れを狭めてもテンパイ同士の比較に比べればアガリ率はさほど落ちません。

 本書95頁の手牌2のように、1シャンテンでカンチャンを残せば確定一通という形であれば、リャンメンが先に埋まっても一通有利でカンチャンが先に埋まることもあるのですから、なおのこと一通有利であることが言えます。

 現代麻雀は速度重視と言われることがありますが、実際は、「現代以前の麻雀観からすれば速度重視に見える」というところでしょう。麻雀というゲームがそもそも、(テンパイ料を除けば)加点できるのは最も早くアガった人のみで、アガりさえば失点しないゲームである以上、アガリを目指す速度という概念は切っても切り離すことができません。

 そして、速度重視というよりも、どちらかと言えばアガリまでの手数を表すシャンテン数、言うなればアガリまでの「距離」を重視していると言った方が近いかもしれません。今回は高打点を狙ってもアガリまでの距離は変わらないのですから、むしろ打点重視が有利という結論になりました。

 単に速度重視と言われる場合、「距離」と「速度」の区別がつけられていないことが多いと思われます。手変わりがかなり遠いにもかかわらず手役を狙おうとする従来の麻雀観も、現代麻雀戦術の誤解からくる、とにかく先制テンパイを目指そうとする発想も、アガリまでの「距離」と、アガリまでの距離を縮める「速度」が混同されているところから来るものではないでしょうか。

命題14

 「天鳳本」では悪形をメンツにできる場合は基本鳴きとしていたので、カンチャンから鳴ける場合でも7〜8巡目が分岐点という結果を意外に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

 これは今回の牌姿がカンチャン、ペンチャン残りとはいえ、メンゼンでテンパイした場合は三色、一通というメンゼンで2翻の役が必ずつくので、メンツ候補の価値としては役に絡まないリャンメンよりも上であるためです。役に絡まないリャンメンより価値が高いメンツ候補であることは、検証13で示された通りです。

 実戦では三色、一通が狙えると言っても、浮き牌に都合よくくっついたり、メンツやメンツ候補が運良くスライドしたら完成するといった遠い変化の話であることも多く、今回のように三色一通が既に出来合いであることはあまりありません。従来の麻雀観では前者も後者も「三色、一通狙い」の一言で片付けられることが多かったものです。繰り返しになりますが、「距離」と「速度」を混同しないように気をつけましょう。

本記事に関するご紹介

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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