システム2
とで受けがかぶっているうえに、を切っていてフリテンになりやすい…と手牌の短所が先に目につくと降りたくなりますが、親で満貫以上が見込めるくっつき1シャンテン。ツモなら良形テンパイ、は無スジですが特別当たりやすいわけではなく、が通ればも通ると考えると案外押せる手牌であることが分かります。
打としてツモのフリテンでも、は通せるのでテンパイに取るに越したことはありません。フリテンはデメリットとはいえ無駄ヅモよりはマシなので、これをマイナスとみなすと過小評価になりがちです。
今回はラス目ですが、東1原点であっても押した方がよいでしょう。そもそもラス目という理由で押し引きが大幅に変わることは多くありません。何故なら今回のように高打点が見込めるなら東1でもリターンが大きいので押し寄りになり、アガっても低打点のうえにアガリが厳しい手であれば、ラス目でアガっても状況があまり改善されず、放銃すればますます順位争いが厳しくなってしまうためです。押し引き判断もまずは手牌の価値を正しく把握することから始めましょう。
システム3
基本的な押し引き基準を身につけた打ち手が更に勝つために心がけたいことは、「ノーテンから押せる領域を増やす」ことです。そのために必要なことの一つとして、「通常よりも安全と読める牌を探す」ことが挙げられます。
押し引き基準のうえでも、通常のスジ37牌程度なら、1シャンテンでも安手のうえに悪形残りとなれば降りた方がよくなりますが、何らかの理由でスジ19程度にまで放銃率が低いと判断できるのであれば、1シャンテンでありさえすればとりあえず押して問題ないことになります。
通常のスジ19なら、たまたまシャンポンや単騎で残ったケースもありますが、今回のはそのケースもないので更に安全と言えます。現物のを切っても手牌の価値はあまり落ちないのでひとまず打としそうですが、打としても次巡はトイツ落としでアガリの可能性を残す形なので、それならツモを考慮して先にがよいですね。常に手牌読みを意識して少しでも有利な打牌を選択しようと集中していないとなかなか選べない選択です。
オリ本 ~天鳳位が語る麻雀・守備の極意~
本書は第9代天鳳位であるしゅかつ氏が「オリ」について語った一冊です。とはいえ「相手から攻め込まれた瞬間」にどうやってオリるかを解説したものではありません。その前の段階や後の段階の技術(=大局観)を総合的に説明することで、押し引きを点ではなく線で捉えられるようになっています。それと同時に、「こんなケースでは思考停止でベタオリで良い」といった考えなくて良いケース、というのも説明しています(=システム化)。これらの大局観とシステム化の両輪によって本書はより汎用的なオリの技法を説いたものとなり、これまでの麻雀の守備戦術本とは一線を画す、ハイレベルな内容になっています。本書で現代麻雀の最高レベルの「可能な限り失点を防ぐ技術」を体得してください。
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