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ネマタの戦術本レビュー第714回「場況を見抜く!超実戦立体何切る 著:平澤 元気 その11」

ネマタの戦術本レビュー第714回「場況を見抜く!超実戦立体何切る 著:平澤 元気 その11」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第3章 テーマ 21

 問題1のように、役があって悪形ターツをメンツにできる場合は基本的に鳴いて手を進めるようにします。ここまで条件が揃っていなくても、悪形ターツをメンツにできる場合は鳴く選択がないかを意識しておくようにします。


 逆にリャンメンを鳴く場合は、鳴けばはっきりアガリやすくなるとしても、スルーしてより優秀な手組を作る選択がないかを意識しておくようにします。問題2のようにかなりメンゼンでテンパイしやすく、鳴きとメンゼンの打点差が大きい場合は終盤までスルーが有力になりますが、ここまで条件が揃っていなくても、リャンメンからはまだスルーした方がよいということは少なくないです。「間に合うかどうか」と考えるよりは、「鳴いて手を進めることで手牌の価値が上がっているか」を意識することをお勧めします。


 本書で触れられている通り、『現代麻雀最新セオリー』に示されている研究によって、残っている待ちが何枚かによって鳴いてテンパイを取るべき巡目が大きく変動することが判明しました。その研究結果に基づけば問題3はチーテン有利ということになりますが、見た目枚数が少ないほど残りは山に残っている可能性が低く他家も使いづらいということも考慮に入れると、微妙ですがどちらかと言えばスルーしそうです。逆に、見た目枚数が十分に残っている場合は他家に使われやすいので、終盤までスルーとあっても実際はもう少し早い段階でテンパイに取るようにしています。

第3章 テーマ 22

 リャンメンから鳴くことで他家に高打点と読まれることを嫌う打ち手もいます。確かに、序盤でと持っているところからを鳴いて打となれば、打点が不要な局面でもない限りは高打点とみるべきでしょう。(単にリャンメンチーだけなら手役をつけるための遠い仕掛け、4455のような二度受け処理もあるが、打によってその可能性が否定される) しかし仮に警戒されたとしても、「リャンメンテンパイ」と、「警戒されずにテンパイできる可能性が残る完全1シャンテン」とで後者がアガリやすいとは考えにくいです。


 これがテンパイに遠い段階であれば、鳴くにしても打点や待ちを絞られにくいように切る牌を選ぶといった工夫を凝らすことも考慮しますが、少なくとも問題1のケースで鳴き判断が変わるということはないとみます。
 

 問題2は7巡目ならまだスルーしそうですが、問題3のようにトイメンからテンパイの可能性が高い鳴きが入ればテンパイに取る方がよいでしょう。ただ、「鳴かれたら速度を合わせる」という言葉もよく聞きますが、鳴いた相手が安手であれば、別の他家が高打点でアガる可能性は減っているので、アガリ逃した時の損失はむしろ減っています。

今回は鳴いても3翻とまずまず打点があるので鳴きますが、2翻以下なら安手にしてまで他家のアガリを阻止しにいくほどではないとみてまだスルーします。

第3章 テーマ 23

 手役の都合上、手牌の多くは「役牌をポンしても高打点が狙える手」か、「役牌をスルーして雀頭にしても高打点になりにくい手」のどちらかです。前回のタンピン手と異なり、役牌手はメンゼンと鳴きの打点差が小さいので鳴いて手を進めた方がよいことが多くなります。


 ただし、アガリには必ず雀頭が必要なので、役牌トイツ以外に雀頭が無い場合は、雀頭候補がある場合ほど鳴いてもアガリやすくなりません。問題1は鳴くと中ドラ1の2000点で終わることが多く、メンゼンならがコーツになるかドラを引けばリーチツモで満貫に届くので結構打点差もあります。2枚目のをどのタイミングなら鳴くかについては難しい問題ですが、少なくともこの時点ではスルーした方がよいとみます。


 もちろん、メンツよりは雀頭の方が作りやすいので、スルーするよりは鳴いた方が確実にアガリやすいです。問題2のように鳴いても高打点、問題3のように打点よりアガリ率を優先する局面なら鳴きます。

 

場況を見抜く!超実戦立体何切る

本書は平澤元気プロによる立体何切る問題集です。麻雀の「何切る問題」には大きく分けて2種類あり、自分の手牌だけの情報で受け入れ枚数が最も多くなるような牌を選ぶ「平面何切る」と麻雀の実戦さながら、相手3人の捨て牌やポン・チーの情報などを全て加味した上で何を切るかを選択する「立体何切る」があります。

麻雀界ではここ1、2年で「平面何切る」の良書が数多く出版されたこともあり、平面何切るにおいてはかなりレベルの高い知識が共有されています。

ではその中で差をつけるものは何でしょうか?その答えの一つが「立体何切る」です。

立体何切るでは、平面何切るの知識に加えて、河、点数状況、今が何局目であるか、といった多くのファクターを考え合わせた上での最善手を導き出す必要があります。

本書は現代麻雀の立体何切る問題集として先陣を切るものであり、本書の内容をマスターすることで一群から抜け出す雀力を身につけられるはずです。

 
平澤 元気
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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